後記
関悦史
座談会のほうにも言及があるが、SSTとは去年の角川「俳句」6月号の座談会「若手俳人の季語意識」に参加した榮猿丸・鴇田智哉・関悦史の3人が、当日収録終了後に結成したユニットである。
もう1人の参加者、大谷弘至さんは所用で飲み会に出られず、68~69年生まれの3人が当時の河合編集長とともに残った。
ユニット名はSSTである。実体はまだない。
名前がついてしまったのだから何かやろうということで、今回週刊俳句の丸ごとプロデュース号をやらせていただいたが、小学校跡を使っての撮影会といい、週刊俳句といい、全て思いつきとなりゆきで事態が動いている。
しかし、この一見出鱈目な思いつきとなりゆきも、二次元で見れば出鱈目に見える断面図が、三次元にすればたちまち意味のある構築物となるのと同様、ひとつ上の次元から見れば、必然性のある立派な組織体となるのである。
多分。
それなりに。
べつにならなくてもいいか。と、思わないこともない。
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鴇田智哉
先日、NHK教育を何気なく見ていると、「恋愛SST」というのが始まった。「おお! ついに我々も」と思って見たが、まだ活動もしていない我々が出るはずもない。「SST」とは、Social Skills Training「生活技能訓練」という認知療法なのだそうだ。
ところで、SSTの結成された当夜、飲みの席で、3人はたしかYKKの話をしていた。チャックの会社のことではなく、政治家の山崎・加藤・小泉のYKKである。どういうつながりだったか忘れたが、何かその話の流れで、SSTをしようということになったのだった。
出会ったその日から、3人は変な親近感でつながっている。初めて合った気がしないというやつか。よりどころの一つは、同世代ということなのだろう。略語つながりで行けば、我々が青春の頃の代表的な略語といえば、ICBMであった(嘘)。
それから、3人は互いの俳句に興味を持っていると思う。いや、少なくとも私はそうだ。
3人で何をやるか。
まあ、俳句を作るしかないのだけど、そのオマケとして、トライアングルの上の次元に、ぴかーんと光る何かが立ち表れてくるようなことがあれば、面白いだろう。
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榮猿丸
今週の週刊俳句は「SSTプロデュース号」をお送りしました。
お忙しいところ作家論をご執筆いただいた、四ッ谷龍さん、田中槐さん、梅﨑実奈さん、エッセイをご寄稿くださった相子智恵さん、皆様に深く感謝申し上げます。
撮影をお願いした村越としやさん、どうもありがとう。
村越さんは、NHK教育テレビ「NHK俳句」の2月27日(日)放送の回にゲスト出演されます。午前6時35分からですので、早起きしてこちらもぜひお見逃しなく。
また、更新作業等でお世話になった西原天気さん、この場を与えてくださった週刊俳句の皆さん、ありがとうございました。
そしてなんと、今週1週間のウラハイも、SST連動企画となります。ぜひご覧ください。
さて、いよいよ来週、週刊俳句は創刊200号を迎えられます。おめでとうございます。それを記念して、句会が催されます。詳細はこちらから。
http://weekly-haiku.blogspot.com/2011/02/200.html
19日(土)の句会には、鳴戸奈菜さん、小川楓子さんがご参加の予定とのことです。どうぞ奮ってご参加ください。
それでは、またいつか(近いうちに)、別の形態でお会いしましょう。いや、どうか会ってください。
週刊俳句は、また、次の日曜日にお会いしましょう。
no.199/2011-2-13 profile
■村越としや むらこし・としや
1980年福島県生まれ。文化服装学院中退。日本写真芸術専門学校卒業。2009年、東京清澄白河に「TAP」を設立。現在東京都在住、フリーカメラマン。最新写真集『雪を見ていた』。他に『あめふり』『草をふむ音』『浮雲』。公式HP http://murakoshitoshiya.com/
2月27日(日)午前6:35~7:00放送のNHK教育テレビ「NHK俳句」にゲストで出演します。
■田中槐 たなか・えんじゅ
1960年静岡県浜松市生まれ。「未来短歌会」所属。岡井隆に師事。95年「短歌研究新人賞」受賞。2009年4月より朝日新聞「短歌時評」連載。現代歌 人協会会員。歌集に『ギャザー』(短歌研究社)、『退屈な器』(鳥影社)、『サンボリ酢ム』(砂子屋書房)。現在「澤」入会を目論み中。ブログ「槐の塊魂 Ver.2」 http://ameblo.jp/katamaritamashii/
■四ッ谷龍 よつや・りゅう
昭和三十三年札幌生まれ、東京育ち。昭和四十九年「鷹」に入会。昭和六十二年、冬野虹とともに二人誌[むしめがね」創刊。平成九年ホームページ「インターネットむしめがね」開設。句集『慈愛』『セレクション俳人・四ッ谷龍集』、2010年12月、句集『大いなる項目』(ふらんす堂)を上梓。
■梅﨑実奈 うめざき・みな
1983年、東京生まれ。紀伊國屋書店文学愛好サークル「ピクウィック・クラブ」にて活動中。世界文学フェアやイベントなどを実施。現在、「新刊JP」にて「書店員が選ぶわたしの3冊」を定期掲載。
ピクウィック・クラブ公式HP http://booklog.kinokuniya.co.jp/pickwick/
新刊JP http://www.sinkan.jp/top/index.html
■相子智恵 あいこ・ちえ
1976 年、長野県飯田市生まれ。1995年、小澤實に師事。2000年、「澤」入会。2003年、澤新人賞受賞。2005年、澤特別作品賞受賞。2009年、第 55回角川俳句賞受賞。現在「澤」同人、俳人協会会員。共著に『セレクション俳人プラス 新撰21』(邑書林)。
■榮 猿丸 さかえ・さるまる
1968年、東京都生まれ。2000年、「澤」入会、小澤實に師事。2004年、澤新人賞受賞。2010年、澤特別作品賞受賞。現在「澤」編集長、俳人協会会員。共著『セレクション俳人プラス 超新撰21』(邑書林)。
■関悦史 せき・えつし
1969年、茨城生まれ。第1回芝不器男俳句新人賞城戸朱理奨励賞、第11回俳句界評論賞受賞。「豈」同人。共著『新撰21』(邑書林)。URL:http://etushinoheya.web.
■鴇田智哉 ときた・ともや
1969年木更津生まれ。第16回(2001年)俳句研究賞受賞、第29回(2005年)俳人協会新人賞受賞。句集に『こゑふたつ』。「雲」編集長。
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2011-02-13
後記+プロフィール 199
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