2011-03-20

10句作品テキスト 今井肖子 祈り

 祈り  今井肖子

空仰ぐ首に余寒をまとひつつ
地鎮祭あとの真四角春浅し
雛寿司に野原の色を溢れしむ
雛の間の夜の襖の向かう側
かうかうとこんな日もあり春の月
麗らかな窓辺に幾たびも余震
木の芽吹くまつすぐ空へ空へかな
一面にすみれたんぽぽ咲く大地
泣きさうな子供に桜開きけり
一億の人の祈りに満つる花

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