羽田野 令 鍵
逃水に鍵を返しておかうかな
白梅はゆふべ枕にふれてゐた
町の音に少しのくぼみ梅の花
犬ふぐりいつまで眼数へても
春雷を起こした方のペンの先
初蝶を放ちし墓の漕がるるや
海胆よりも耳朶よりもあはく生き
基本的には薇のかたちだが
昏れてより花の白さの中に入る
春を病む海岸線に連なりて
●
2011-04-24
10句作品テキスト 羽田野 令 鍵
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photo by Tenki SAIBARA
羽田野 令 鍵
逃水に鍵を返しておかうかな
白梅はゆふべ枕にふれてゐた
町の音に少しのくぼみ梅の花
犬ふぐりいつまで眼数へても
春雷を起こした方のペンの先
初蝶を放ちし墓の漕がるるや
海胆よりも耳朶よりもあはく生き
基本的には薇のかたちだが
昏れてより花の白さの中に入る
春を病む海岸線に連なりて
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