〔超新撰21を読む〕
明るさの背後にあるもの
牛田修嗣の一句……野口裕
(牛田修嗣)
一句を選ぼうかと思い、百句を何回か読み返した。どこかで読んだような句だなと感じるところもあるが、どの句も上手い。上手すぎて目移りがする。ついに一句を選び出すことをあきらめた。異例であるが作者名の前に掲げる句の部分を空白としておく。作者の前文によると、「俳句に出会うまでは挫折ばかりの人生でした。俳句に出会ったことで命を救われたといっても過言ではありません。」としている。作者の描く明るい世界は、そうした不幸の裏打ちがされて光り輝くのだろう。
残念ながら、読者たるこちら側の問題として、向日性を指向する句の背後にある根の深さを感知できないところがある。作者は、「俳句を通じて幸せを得たい、そして幸せを贈りたい」とも書いているので、そんな読み取りは大きなお世話だろう。しかし、気になる。
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2011-04-24
〔超新撰21を読む〕牛田修嗣の一句
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