南紀 花尻万博
干魚の無あしらひなる遅日かな
詩に足らぬ金葉手毬の遥けしよ
木の国に何有りやとて
鳥跳ねて李の香る奈良や京
寝火照りのすぐ冷め躑躅盛りなる
二の舞にあらず浅みの春の蚊や
マッコウクジラ生涯の三分の二を深海で過ごす、そして人は
心咽(む)す雨に磨れゆく春鯨
古ル道や蝶幾百は野に続き
次の間の朝寝の向かふ枯木灘
地震ありしこと短夜でありしかな 稲畑汀子
春禽に喪舟の昔繋がりし
筆先の紙に沈みし朧かな
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2011-05-15
10句作品テキスト 花尻万博 南紀
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