2011-09-11

10句作品テキスト 行つたきり 宮本佳世乃

10句競作(第2回) 第一席
行つたきり 宮本佳世乃

うきくさの高きところに星盛る
箱庭を真白き舟のもり上がる
あたらしき蜘蛛の囲に水つもりけり
洗つても洗つても砂大西日
蓮の葉と空の埋もれて午後来たる
階段の蟬の骸が濡れてゐる
鳥飛ぶ仕組み水引草の上向きに
初秋やゆふかぜ朱鷺に長くふき
月の出を待つ間に森の闌けにけり
おとうとの七夕笹の行つたきり

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