10句競作(第2回)中村安伸のオススメ
ヴァカンス 小津夜景
豊の秋たましひつぶしたまふ日の
発語して光をにごす須臾となる
天と地を構造できず百舌しづか
われもかうゐるやうでゐてゐないやう
イッヒ・ロマン棄てにけり小鳥くるたびに
空棚に在るいつまでも鳥影が
白桃の手よまれびとを抱かずとも
宵闇や白い果肉に食われゆく
あてのない手紙のやうに折れ曲がる
ヴァカンスやすべからく季節崩ゆるべし
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2011-09-11
10句作品テキスト ヴァカンス 小津夜景
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