2011-12-25

「週俳の2011年」回顧 〔4〕十月~十二月

「週俳の2011年」回顧
〔4〕十月~十二月:第232号~第243号 ……村田 篠


今年最後の四半期、第232号は日下野由季さんの「森の日」10句で始まりました。この号の時評で五十嵐秀彦さんが「ユリイカ的俳句 introduction」、第233号では上田信治が「ユリイカ10月号「現代俳句の新しい波」ふたつの印象」と、2号続けて「ユリイカ」の俳句特集について取り上げ、「(俳壇の)内と外」という言い回しがネット上で話題に。

第234号には、4コマ漫画「ペンギン侍」でおなじみ・かまちよしろうさんの特集「俳人かまちよしろうの世界」。藤田哲史さんの『円錐』創刊20周年記念シンポジウムのレポート「流跡を辿る行為」もこの号でした。

さらに、第235号から執筆者として加わって下さった西丘伊吹さんの時評「外気にさらされるということ」でも「ユリイカ」の俳句特集が論じられ、大きな広がりを見せました。

第236号では、角川俳句賞の発表を受け毎年恒例となった「落選展2011」。同時に、佐藤文香さんと上田信治による「角川俳句賞受賞作「ふくしま」他5作を、ハイクマシーンが読む」を掲載。この記事については、第241号で鶴岡加苗さんから「私が「週俳○月の俳句を読む」 への寄稿をお断りした理由」としてご意見を頂戴しました。

第237号は『澤』誌からの転載で、大野秋田さんの「助動詞「し」の完了の用法」。句座でしばしば話題に上がる助動詞「し」についての意義深い論考でした。鈴木牛後さんの「牛の歳時記」の連載が始まったのもこの号。さらに、佐藤文香さんと上田信治の「「2011落選展」18作品をハイクマシーンが読む」は、先号に続いて「落選展」にちなむ特集でした。

毎回レアな俳人をご紹介戴く今井聖さんの「奇人・怪人・俳人」、第238号の「田川飛旅子」では著名な俳人の意外な素顔を楽しませていただきました。また、『海程』より転載の小野裕三さん「俳句が夢を見るとき~村上春樹氏の発言を受けて」もこの号です。

第239号では栗山心さんが「紙の本・紙ではない本」で週刊俳句の電子書籍について、生駒大祐が時評「相対論の果て」で俳句サイト「スピカ」の紙の本について取り上げました。さらに第240号の時評では西丘伊吹さんが「ひそやかなアクセス-ふたつの“手紙”から」のなかでセブンイレブンのネットプリントを利用した「彼方からの手紙」と紙の俳誌「手紙」に言及し、俳句を巡るさまざまな媒体が話題に。

第241号は、御中虫さんの「ひとりダブル落選展」。180句の一挙掲載は圧巻でした。

さて、12月は週刊俳句編集による書籍『俳コレ』の刊行を受け、第242号から『俳コレ』作家による俳句作品の掲載が始まりました。また、新宿の紀伊國屋書店で来年1月上旬まで開催中の「アナザー文学の現在――俳句を読まなきゃ文学は語れない」フェアにちなみ、時評では関悦史さんが「文学としての俳句に対する二方向からのアプローチ 高岡修『死者の鏡』とブックフェア「アナザー文学の現在」」を。瀬戸正洋さんの「西一村 歌集『夏の鉄橋』を読む」、西原天気の「川柳という対岸~『バックストローク』最終号を読む」、同じ西原の第243号定型の時間・定型の地平~『五七五定型』最終号を読む」と、隣接ジャンル作品への言及も活発です。

また、第243号では広渡敬雄さんの「俳枕12」「俳枕13」を同時掲載。

なお、第243号の時点で、野口裕さんの「林田紀音夫全句集拾読」は連載194回、小池康生さんの「商店街放浪記」は連載第51回を数えます。長期にわたるご寄稿に、心から感謝致します。

来年も『週刊俳句』を、どうぞ宜しくお願い致します。

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