2011-12-25

「週俳の2011年」回顧〔3〕七月~九月

「週俳の2011年」回顧
〔3〕七月~九月
:第219号~第231号 ……西原天気


第3四半期は、室田洋子さん「青桐」10句と堀田季何さん「Waiting for」10句から。「Waiting for」は英語の句と季何さんの日本語訳というちょっとめずらしいスタイル。

第219号の目玉は「週刊俳句・10句競作 第1回 結果発表」。五十嵐秀彦、関悦史、神野紗希3氏による「審査選考」(ウラハイ・コメント欄でのライブ)で金賞に輝いたのは、村越敦さんの「いびつ」10句でした。

ほか、生駒大祐による〔現代俳句協会青年部勉強会レポート〕「三鬼、語りぬ」も、俳句と肉声について示唆深い記事。

第220号ではハイクマシーン(佐藤文香×上田信治)による「興梠隆『背番号』を読む」。対話スタイルの記事はウェブとなじみがいいと個人的に思っているのです。

同人誌『晩紅』からの転載でシリーズ「八田木枯 戦中戦後私史」(聞き手 藺草慶子)が始まったのは第221号関悦史さんの〔週刊俳句時評第38回〕「その後の仁義なき震災俳句」は重要な論考。数年経過してから再読したい気がします。


第222号には、松尾清隆さん「リアルに感じられないことのリアルさ 2 堀田季何氏の戦争詠について」、五十嵐秀彦さん「アニミズムの意味するところ 金子兜太掌論」など、 ホットかつエヴェーグリーン(わざわざカタカナ語)な記事が並びました。また、「『未来』創刊60周年記念大会レポート・第一部「岡井隆・穂村弘 対談」僕がメモを取って聞いた所」(生駒大祐)。川柳、短歌、現代詩など、隣接分野にも貪欲に手を伸ばすスタンスは、週俳がこれからさらに意識したいところです。

第223号に「浮言」10句を寄せていただいた堀本裕樹さんはこの後、「熊野曼荼羅」で第2回北斗賞を受賞されました。

第224号には三島ゆかりさんによる『俳風動物記』書評。前号に引き続き『未来』創刊60周年記念大会レポート」を越智友亮さんが。

第225号には関悦史さんによるレポート「朗読イベント『言葉を信じる「夏」』の一日」、生駒大祐による句集『残像』(山口優夢)書評「残と拝(残の部)」など。

第226号は、今年、句集を上梓された奥坂まやさんと前北かおるさんがそれぞれ「一部分」10句、「蕨餅」10句を寄せてくださいました。「佐山哲郎『娑婆娑婆』を読む 真剣なる遊び」(澤田和弥)、『拝復』(池田澄子)を取り上げた「残と拝(拝の部)」(生駒大祐)と、句集評が2つ並びました。

第227号は、上田信治が朝日新聞・宇佐美貴子さんにインタビューした「俳句は人間活動として面白い!」がユニーク。

第228号には、関悦史さんのいつもながら重厚な書評「俳句幼年期の終り?─志賀康『山羊の虹』」。

第229号には第2回「10句競作」結果発表第一席には宮本佳世乃さんの「行つたきり」が選ばれました。

第230号の「主体に関する短い質問状」(生駒大祐)は俳句のなかの「私」を、ちょっと風変わりなスタイルで扱います。子規式 馬糞に始まり糸瓜に終わる」(西原天気)は、今から思えば『子規に学ぶ俳句365日』(草思社・2011年12月刊)の前振り的記事。

第231号では、『里』誌からの転載で、小林苑をさん「空蝉の部屋 飯島晴子を読む」(不定期シリーズ)が始まりました。


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