〔超新撰21を読む〕
たはむれにクイズ形式
久野雅樹の一句……野口 裕
問題.以下の文章を読み、「 」の中に入る適当な一句を、『超新撰21』久野雅樹の百句の中から選んで記入せよ。
鞦韆や和魂洋才ともになく 久野雅樹
謙遜ではなく本当にそう思っているのだろう。百句を一読すれば作者の教養のほどは大変豊かだと分かる。昔風の一般教養だけではなく、最新の科学知識にも精通していそうである。
●
「 (1) 」
だが、知識を持っていればいるほど自分には何かが足りない、という思いにかられるのではないだろうか。
●
「 (2) 」
明治の知識人よりも大正の知識人、大正の知識人よりも昭和の知識人と時代が下るにつれて人物が小粒になってゆくと、よく言われる。柳田国男は孝行というものを大事にしなくなったせいだと言ったらしいが、それもよく分からない。
●
「 (3) 」
いずれにしても、平成の時代に生きる人間の持っている教養のほどは知れたものだろう。作者は、俳句は余技だと言い切る。教養を深める方向ではなく、教養を広げる方向を指向しつつ、己の句にときおり現れるまじめな顔
●
「 (4) 」
を素早く隠し、「他者と共有可能な筋目」(作者の言葉)を通そうとする。余技という言葉にあった、悲しき玩具とでも呼びたくなるような否定的な意味合いを払拭し、句とともに微笑し合えるような世界が作者の理想だろう。それは半ば実現している。
一人一句といいながら、いつも複数句の引用になる。それが、少々気になっている。作者が大学の先生ということもあるので、こんな形式も良いかと遊んでみた。
たはぶれをせむとて生れサングラス 同
【答】 ※白文字になっています。見るときはマウスでドラッグしてください。
(1)
P190-1 P194-2 P196-6 など多数
遺伝子の乗物にして花見かな
恐竜の裔の眼に百千鳥
さいころを時にふりつつ神の旅
…など多数(いずれも正解とする)
(2)
無知の知のはるかにありて卒業す
(3)
でんでら野一族の蟾皆ゐるか
(4)
当事者でなくなつてゆく蝉時雨
めぐるものあり大試験見守れり
(いずれも正解とする)
≫『超新撰21』・邑書林オンラインショップ
2011-12-11
〔超新撰21を読む〕久野雅樹の一句 野口 裕
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 comments:
コメントを投稿