春よ 松井康子
あてどなくあめかんむりの毀れ春
鳥よこの春の取っ手が回らない
哀しくはないが空見るときも亀
青春の両手にあまる春がすみ
春の夢かぞえておればダムに出る
日月の間に弦を春の雪
やわらかく山門くぐるしゃっくりや
まなざしのあとさきもなく草萌える
日月をカノンがわたる春の宵
春昼のとなりに深い耳の穴
●
2012-03-11
10句作品テキスト 松井康子 春よ
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photo by Tenki SAIBARA
春よ 松井康子
あてどなくあめかんむりの毀れ春
鳥よこの春の取っ手が回らない
哀しくはないが空見るときも亀
青春の両手にあまる春がすみ
春の夢かぞえておればダムに出る
日月の間に弦を春の雪
やわらかく山門くぐるしゃっくりや
まなざしのあとさきもなく草萌える
日月をカノンがわたる春の宵
春昼のとなりに深い耳の穴
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