週刊俳句5周年記念オフ会録
今宵一句
歓声の真中に春の蝿が来る 茅根知子
森しあわせ光に春の蚊を浮かべて 池田澄子
尺取がおのれの糸をのぼりつつ 野口 裕
窓に来る蜂の向うのビルには人 佐川盟子
葉櫻のきらりきらりと五歳なり 齋藤朝比古
新緑の片すみにある俳の宴 上野葉月
水脈へ落花の還る音しきり 近 恵
ふらここの傾いたまま揺れている 小林苑を
ガムラン唄ふツルカメツルカメ新樹光 関根誠子
かげらふや音の生まるる蝶番 宮本佳世乃
春の丘スルメ踊りを見たという かまちよしろう
駅裏に昼酒の路地夏近し 佐山哲郎
手拍子のときも猫背や人の春 佐藤文香
オフの夜ビールもドームも膨らみて 小久保佳世子
東京ドームから大歓声花墜ちる 寺澤一雄
美しき短冊売られたる晩春 北川あい沙
ガムランの音より夏の兆しけり 榊 倫代
五年目も牡丹真白きめでたさよ 松野苑子
暖かや部屋の隅にてコルク抜く 岡本飛び地
冷酒や戦艦大和忌であれば 広渡敬雄
今一歩踏み出してみる花だいこん 青葉 有
目のなかに花の流るる金目鯛 小川楓子
談笑の怪談めいてくる春宵 松尾清隆
さみどりに連なる記事よ五周年 沖らくだ
涵徳の意味を知りたる春の夜 小林鮎美
マタドールさいの河原に芋植うる 藤 幹子
霽酒を張れば玻璃盃華やげる 堀田季何
休日をビールうつとりとこぼれ 野口る理
ゆらゆらと洋酒や春の星見えて 村越 敦
葉脈のあかるき春の風と去る 田島健一
春眠のわが大遅参許されよ 榮 猿丸
春今宵涵徳亭も風の中 生駒大祐
がむらんの春ぞ玻璃戸の歪むらむ 西原天気
遠くから来て満開の牡丹かな 村田篠
いくたびの春の座敷の蛍光灯 上田信治
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