2013-11-24

10句作品テキスト 相沢文子 小六月

 小六月 相沢文子

林檎嚙む時々顔を歪ませて
目薬のゆきつく先のそぞろ寒
片方の耳が小鳥をとらへけり
犬の毛のふくらんでゐる文化の日
初鴨に水洗はれてゆきにけり
古本の脇に白菜積まれけり
俎板の傷光りをる小六月
北風にポストの遠くありにけり
外套にきのふの風のにほひかな
爪楊枝嚙みすぎてゐる一茶の忌


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