2014-01-05

2014新年詠テキスト

2014新年詠

ゆずりはの代はりアボカド飾らうか 青柳 飛
初春の駄洒落をぎゆうとお重箱   青山酔鳴
ノイズばかりのA面に初泣を    青山茂根
星遠く四日の顎をのせたまま   赤羽根めぐみ
一月の水より清き言葉告ぐ     安里琉太
口にせし言葉かへらず初鏡     小豆澤裕子
箸二膳あれば事足る四日かな    天宮華音
東方の経塚山へ初明り       天野小石
悴むや流線型の鳥の声       飯島雄太郎
読初の中井英夫を真似てみる    五十嵐秀彦
喰積や残りてひとつ甘きもの    五十嵐義知
TV延々火事中継中安倍川餅    池田澄子
海底に火山噴きつぐ去年今年    池田瑠那
初旅に眠りをいくつとほりすぐ   生駒大祐
裏白の乾く葉先に微震あり     石井薔子
枸杞の実の片手あふるる淑気かな  石田遊起
マカロンに挟まれている寝正月   石原ユキオ
琴櫻の手形の横の宝船       今井 聖
磴下る破魔矢小さく鳴らしつつ   今井肖子
漫画喫茶のイヤホンに聴く歌合戦  今村 豊
そこな人破魔矢で背中掻くと見ゆ  岩田由美
おおくじらのはらわたにいて山ねむる 宇井十間
変電所正月四日よく晴れて     上田信治
陽の差して紀伊国坂の初鴉     上野葉月
焼く餅の数聞きまはる祖母の家   江渡華子
白朮火をぶんぶん回す鮪かな    遠藤 治
吹初のリベルタンゴを指つるまで  淡海うたひ
松過ぎや刻ゆるやかにシガーバー  大井さち子
大旦大年の国より着信       大江 進
深海に灯ともす魚や去年今年    大島雄作
光線をいそぐ輓馬や四方の春    岡田一実
眉山へと帰つてゆきし初鴉     岡田由季
元日は夕日となりて塔へ落ち    岡野泰輔
口ごもる地蔵に鏡餅供え      岡村知昭
剃り残し無き顎撫でて初詣     岡本飛び地
待ち人の来たれば高く振る破魔矢  小川春休
福笹に紙の太鼓や紙の昼      小川楓子
初雀にまじりて一羽眼白なる    小澤 實
二日なりナン打つ音にカレー待つ  押野 裕
しあはせや花びら餅にあはき餡   越智友亮
ほのかなる世へのほほんと初鴎   小津夜景
読む声に山と谷あり歌がるた    柏柳明子
顔洗ふ猫の写真の初暦       金子 敦
初夢の泉谷しげる啼いてゐる    河野けいこ
そら色の少しよごれた三日かな   灌木
駱駝似の顔が湯舟に大旦      菊田一平
初凪や日向ぼこりの眼は遠く    岸本尚毅
初春の猫に睫毛はないといふ    木田智美
四日はや母の小言のはじまりぬ   北川美美 
正月の雑踏ブラジャー販売機    木野俊子
初日差さっとダビデを羽交いせる  金原まさ子
常少女とや万劫の手毬歌      九堂夜想
空と海分かつ神話や初茜      熊谷 尚
初詣神戸本日やや曇り       久留島元
あらたまや犬の分まで息うばふ   黒岩徳将
いくたびか地名に見惚れ年賀状   小池康生
賽振れず歌留多に伸びぬ右手あり  興梠 隆
ひかりからかたちにもどる独楽ひとつ 神野紗希
初夢を見てゐる足の白さかな   小久保佳世子
凍蝶よ今わたくしの咀嚼音     小西瞬夏
初刷や付録もろとも折り曲げて   小早川忠義
馬面のほのぼの年の酒に酔ふ    小林苑を
樽酒は升をあふれてお正月     近 恵
正月の母のうずうずしてゐたり   齋藤朝比古
未来派は野郎ばかりや初電車    榮 猿丸
初風や港を臨む長き橋       笹木くろえ
ヌ―やいま処女のどよめく月の川  佐々木貴子
枯薄原をゆく影はこの特急の    佐藤文香
初夢にいくさなき代の大本営    澤田和弥
去年今年一本橋をわたりけり    塩山五百石
あさやけのひかりのなかの初心   しなだしん
通夜へ群れ入る若きに羊日の月を  島田牙城
枡酒の盛り上がりたる淑気かな   清水良郎
初箒あまたの鳥が高く棲み     下坂速穂
元旦や信号無視をしてしまふ    杉原祐之
初夢に鱶の鼾を聞きしとも     杉山久子
木々に雪妻にわれある四方の春   鈴木牛後
元日の陽にゆれあへる船着場    鈴木茂雄
大仏の胎内温き二日かな      鈴木不意
午ひつじさるとりいぬゐ初日の出 すずきみのる
初富士を眺めていたるさくら棒   鈴木桃子
野のひかり入る元日の厨かな    涼野海音
一億のアイヒマン顔(がほ)初詣    関 悦史
枝移る鳥を見てゐる三日かな    関根誠子
すべり台に独楽を忘れてネオンかな 瀬戸正洋
初声や末法を生き存えて      曾根 毅
馬の名はスピカとアロウ初茜    対中いずみ
初日の出親父がひどくかすれ声   髙井楚良
筒にして覗くと青し初暦      髙勢祥子
初夢や誰かの足を踏んでゐる    高梨 章
初旅や鳥のとらへし魚光る     高柳克弘
はつゆめ に うまし くに あり うま の くに 高山れおな
初空や紙飛行機に夢乗せて     高橋透水 
一匙の酒は仕来り雑煮椀      高畠葉子
福寿草白き蹄の駆け抜けて     田中亜美
しいしいと虫歯鳴らして初しののめ 谷口智行
元朝のパラパラ漫画七枚目     茅根知子
屋上の妻より呼ばれ初景色     千葉皓史
飼ひ犬のうろうろとゐる御慶かな  津川絵理子
初夢を明るいほうへ歩みゆく    月野ぽぽな
巌のうへの小さき祠を初参     津久井健之
元朝の真暗闇の歩みかな      筑紫磐井
唇を次はあげます福笑       照屋眞理子
はつゆめのゆめのやうなる箒星   常盤 優
丘をとんびがリボン包みを結び目が 鴇田智哉
1月1日をソロリと游ぐ五十歳   徳田ひろ子
深海のいきものでいい寝正月    十月水名
なまこ餅ぷくりと薄暮白くなる   鳥居真里子
流星は馬たてがみの我が一騎    豊里友行
釈尊の手の内にいて寝正月     内藤独楽
神までの裏道とほし初手水     仲 寒蝉
水の星包みて薄き鶴の空      中村光声
初日の出埴輪のやうな顔をして   中村 遥

年新た大きな白紙持て余す     鳴戸奈菜
平穏な岡山に行く旅始       西村麒麟
初旅や見たくないものあえて見る  西村小市
山猿に気をつけろてふ初湯かな   西山ゆりこ
初夢の崖より落ちて空飛べり    沼田美山
老死かとかゞめば年酒聞こし召し  猫髭
汁物は酒にてすませ二日かな    野口 裕
金柑もピンポン玉もお正月    ハードエッジ
言葉散り初陽を湧かす科学かな   橋本 直
初凪を遠ざかる蝙蝠匂ふかな    花尻万博
鐘の音きこえる初風呂       馬場古戸暢
病む者に元旦といふしるしかな   東川こと乃
複雑な顔ぶれ揃ふ初座敷      廣島屋
踏切に虹のきれはし恵方道     広渡敬雄
バベルの塔更地に手毬よく弾むよ  福田若之
鉄塔に十二弦あり初烏       藤 幹子
なまはげの足跡辿る子供      藤井雪兎
順番待ちの二礼二柏手年迎ふ    藤崎幸恵
戦前来何色と問ふ初鴉       渕上信子
初日記より行間にはみ出でし    堀田季何
麗しく三日の魚肉ソーセージ    マイマイ
御あまりを分けて父子や屠蘇を酌む 前北かおる
鏡餅罅割れ怒濤聞こえ来る     松野苑子
息吸つて止めてまた吐き姫はじめ  松本てふこ
介護の間ぬすみ駆足初詣      三浦 郁
絵歌留多やつつつと道をゆく烏   彌榮浩樹
コンビニの袋にも満つ淑気かな   三品吏紀
新年や埃拭えば福音書       三島ちとせ
新年よ締切のない喜びよ      三島ゆかり
枯山に虹爛々と懸かりけり     南十二国
ジャズ聴いて無休無給の去年今年  宮崎二健
伊達巻や家族のいい朝が撮れた   宮崎斗士
謹賀新年笊のひとつひとつに空   宮本佳世乃
元日や田の刈株の吹きさらし    村上鞆彦
船橋に潮の香のなしお元日     村越 敦
初夢の終りに猫の鳴きゐたる    村田 篠
たまさかの妻の放屁や草石蚕食ぶ  喪字男
春風や聞こゆるやうに耳の向く   森賀まり
最後まで勝独楽らしく回りけり   矢口 晃
厠より般若心経淑気満つ      矢作十志夫
岩礁、茜に染まる         矢野錆助
乳飲み子の大きなおなら初笑    矢野玲奈
食べ残す青き野菜や吉書揚     山口昭男
兄弟姉妹黙つたり笑つたり雑煮   山口優夢
初声も動物園の塀の内       山崎志夏生
自己破産させた人から賀状来る   山田きよし
葉牡丹の氏素性など知るか、なあ  山田耕司
年酒酌むことをのみけふ一日かな  山田露結
七種の歌のはじめの芹摘まな    山西雅子
去年今年ヤカン持って来る女    山本たくや
読初のアッシャー屋敷日暮時    四ッ谷龍
山の水そこまで来たる初箒     依光正樹
家に居ればすぐ夕方やお元日    依光陽子
粛々とキャラ激突だるい倫理もうレゴリス改行せず観客の西遊記を批准した季語の神父ざけんな摂動乃至チョコチップ y4lan
なま白き初日抽斗半びらき 渡戸 舫


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