2014-01-26

自由律俳句を読む 28 畠働猫 〔2〕 馬場古戸暢

自由律俳句を読む 28
畠働猫 〔2〕

馬場古戸暢


前回に引き続き、畠働猫句を鑑賞する。

きずついた夜を切り取る月がほそい  畠働猫

観念的なためか、細かな句意をとるのは難しいが、傷心のために弱り切っている様子が伝わってくる。

夕やみが涼しい洗い髪におりてくる  同

シャワーを浴びて階上からおりてくる、夏の夕の女を詠ったものだろう。居間では、野球の中継をみながらビールを飲んでいる作者がいたのではないか。

人妻が帰ってくれない五月闇  同

人妻と五月闇の組み合わせにどきっとする句。守るべき一線はどこにあるのか、その一線を結局はどうしたのか、読み手ははらはらせざるを得まい。

夜蜘蛛が月を曳いてきた  同

ロマンチックといえばロマンチックな景。しかし蜘蛛が月を曳くとは、いったいどのような状態となるのだろうか。

春の夜どこまでも青信号が続いている  同

作者は北海道在住なので、広大な北の大地の様子を詠んだものかもしれない。盗んだバイクで走りだすにはちょうどよい、春の夜の一幕なのであった。

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