2014-06-01

〔今週号の表紙〕第371号 国立競技場最後のラグビー試合 西原天気

〔今週号の表紙〕
第371号 国立競技場最後のラグビー試合

西原天気




撮影日は2014年5月25日。先週号の後記にも書きました。「Asian 5 Nations」の日本vs香港戦です。撮影者は、同行した妻。

国立競技場でラグビー試合を観たのは初めてです。この日、自分が主催している句会を延期してまで観戦に出かけたわけですが、これには2つの理由がありました。

1つは、現在のラグビー日本代表に少なからず興味があったこと。ケーブルテレビでの観戦を通して少しずつファンになっていきました。

ヘッドコーチのエディー・ジョーンズはオーストラリア出身。日本人の血が1/4(いわゆるクオーター)から来るルックス的な親近感もあって、なんだか雰囲気がいい。

この試合でキャップ数歴代1位(82キャップ)を記録した大野均選手を、1年ほど前でしょうか、近所で見かけたことも、ファン化のきっかけになりました。大野選手は東芝所属で、ウチはグラウンドのある東芝府中工場のすぐ近く。サンダル履きでママチャリに乗った大野選手(192cm・106kg)は弁当かハンバーガーかの買い物の途中だったのかもしれません。ひときわ目を引くアスリート体躯とカジュアル感の対照がえらく魅力的でした。

現在の日本代表は日本人プレーヤーと外国人のバランスもいいように思いますし、いわゆるキャラの立ったプレーヤーも多い。そんなこんなで注目なのですよ、エディー・ジャパンは。

ところで、この香港戦は勝てばワールドカップ(2015年・イギリス)出場が決まるという大事な試合。…のわりには、スポーツニュースで大きく取り上げられることもありませんでした。ラグビーもいまやマイナー・スポーツ? 残念なことです。

ついでにいえば、バドミントン。トマス杯=男子の団体世界戦で日本が優勝という大快挙も、さほど大きく報道されることはありませんでした。対して、サッカーは不自然なくらいに大きな注目を浴び、ニュースを賑わします。商業的には理解できますが、スポーツファンとしては少々シラケします。

話が長くなりました。観戦に出かけたもう1つの理由は、国立競技場の見納めということ。使用がこの5月で終了。7月に取り壊しが始まる。1964年の東京オリンピックの競技会場として建設されたので50年の歴史を閉じる、ということで、行ってきたわけです。

跡地に建設される新国立競技場については、暗澹たる気持ちでいっぱいです。

この建造物についての問題点について関心のある方は各自ググってでもいただければ幸いです。

グロテスクなデザイン、グロテスクな規模。

なにより深刻なのは、歴史的地域全体が破壊されるという事態です。

あのあたりは緑が多く、気持ちのいい場所です。この環境はこれまで「競技場周辺の高さ制限15メートル」という制限によって守られてきた側面がある。ところが、新国立競技場の設計デザインは当初75メートル。従来の高さ制限が今回取っ払われてしまいました。

反対の声も多く上がっていますが、おそらく良い方向には向かわないと思います。

付記するに、コンペで妹島案が敗れたことには、いまさらながら残念なことです。

〔参考〕
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20121113/591210/

この案にも問題点は多々あるようですが、既存の景観との調和は、あの場所を一度でも訪れたことのある人なら誰でも一番に望むことだったはずです。

嘆くだけでは状況は変わらない。何をすべきかを考え、何かをすべきなのでしょうが、この件に関しては、どうにもこうにも暗い気持ちから脱することができないでいます。



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