火 鴇田智哉
すりガラスから麦秋へ入りたる
ハンカチが平たくひらき日は一つ
河骨のちかく通話をしてゐたり
蒲の穂の点々と昼うしなへり
さみだれの部屋が頭蓋とずれてある
玉虫が交叉点へとうすれゆく
水母かもしれない服を着てうごく
かなかなといふ菱形の連なれり
からすうりの花に子供のゐてしまふ
火が草へうつり西日にとけこめり
●
2014-07-20
10句作品テキスト 鴇田智哉 火
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photo by Tenki SAIBARA
火 鴇田智哉
すりガラスから麦秋へ入りたる
ハンカチが平たくひらき日は一つ
河骨のちかく通話をしてゐたり
蒲の穂の点々と昼うしなへり
さみだれの部屋が頭蓋とずれてある
玉虫が交叉点へとうすれゆく
水母かもしれない服を着てうごく
かなかなといふ菱形の連なれり
からすうりの花に子供のゐてしまふ
火が草へうつり西日にとけこめり
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