2015-02-01

自由律俳句を読む 78 尾崎放哉〔2〕馬場古戸暢

自由律俳句を読む 78
尾崎放哉〔2〕

馬場古戸暢


前回に引き続き、尾崎放哉句を鑑賞する。

猿を鎖につないで冬となる茶店  尾崎放哉

昔は猿回しが各地にいたという話を聞く。人間にとっては猿回しを見ることが一つの娯楽になっていたのだろう。最近見ないのはなぜだろうか。

鳩が鳴くま昼の屋根が重たい  同

放哉には珍しく、やや観念的な句。昼下がりの気怠さがよく表れているように思う。

火ばしがそろはぬ一冬なりけり  同

火ばしを生活の中で用いたことがないためわからないが、一家に複数あるものだったのか。実際に使っていた方に話を伺ってみたい。

つめたい風の耳二つかたくついてゐる  同

一人の人間の両耳がくっついているものと最初読んだが、そんなわけはない。冬ほど人が暖かくなる季節はない。

ころりと横になる今日が終わつている  同

楽観的な景であると考えたい。こうした日々を送りたいと思いながらも、送れないままでいる。

0 コメント: