自由律俳句を読む 82
芹田鳳車〔2〕
馬場古戸暢
前回に引き続き、芹田鳳車句を鑑賞する。
霧のうかきに馬は馬どち顔よせぬ 芹田鳳車
霧のうかきに馬は馬どち顔よせぬ 芹田鳳車
霧の様子に、馬たちも不安を覚えたのだろうか。音がない静かな景を、きれいに詠みこんでいる。
一日雨ふりふかぶかと芹がしずみたり 同
川の中州を詠んだものか。雨が降った際に水中に沈んでしまう植物がなぜ生き続けられるのか、子供の頃からたまに疑問に思いつつも解消しないままでいる。
秋はいまやすぐると思ふ橋わたる 同
秋はいまやすぐると思ふ橋わたる 同
秋の部分は、どの季節でもいいように思う。ただ、もっともしっくり来るのは、やはり秋なのである。
日のおつ方へましぐらに潮が流れゆく 同
干潮の際の海について、一瞬の様子ではなく、ある程度の時間枠をもって詠んだものだろう。「ましぐら」の言葉からは、怒涛のように海が引いていく様子を想像できるため、面白い。あるいは、本当に「ましぐら」な潮の流れを詠んだものかもしれない。
馬子よ酔うてはおのがかわゆき馬叱る 同
日のおつ方へましぐらに潮が流れゆく 同
干潮の際の海について、一瞬の様子ではなく、ある程度の時間枠をもって詠んだものだろう。「ましぐら」の言葉からは、怒涛のように海が引いていく様子を想像できるため、面白い。あるいは、本当に「ましぐら」な潮の流れを詠んだものかもしれない。
馬子よ酔うてはおのがかわゆき馬叱る 同
酔っぱらいの馬子の様子に関する状況説明文のようだが、おかしみを覚える景である。馬との関係が悪化していないことを願う。
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