2015-09-13

10句作品テキスト 小林すみれ 月の窓

 月の窓  小林すみれ

木槿咲く少女はサドル高くして
まつすぐに来し朝顔の咲く町へ
目礼を交はしてゆける水の秋
秋蟬や鞄一日ふくらんで
たをやかに銀水引の灯しかな
横顔に母の面影銀河濃し
珈琲の香りたちたる月の窓
赤鬼に射的のあたる月夜かな
届きたる回覧板と柚子ひとつ
一房の葡萄に夜の近づきぬ


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