2017-03-12

10句作品 丑丸敬史 ふるさとに置き忘れたる春に寄す歌


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ふるさとに置き忘れたる春に寄す歌

丑丸敬史

春眠や渚につどふさくら貝

春眠の次々生れし蝌蚪の群れ

序破急に初蝶の野となりたるよ

長芋を春の入江に差し込まん

鉈豆の花に夜汽車が集ひたり

牛の舌春の大地はなめされて

麥の秋しづかに尿を野は溜むる

春の雲豐葦原の置き處

晩春の唾液を溜めるかたつむり

古傷を蝶にて隱す歸鄕なり


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