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書体 滝川直広
廃屋をこはさぬやうに照らす月
みのむしの簑を月光漏れてきし
ドックより鉄気(かなけ)のにほひ泡立草
巡礼の次散りさうな紅葉指す
こゑがはりまへの少年石蕗の花
鴨ののる水の中より暮れてきし
帰り花書体のちがふ墓碑と墓誌
短日の意訳のつづく字幕かな
極月の百葉箱の眩しさよ
積み上げて菜屑くすぶる蕪村の忌
遠火事といふ祝祭に染まる空
イヤホンに音の通はぬ冬籠り
初夢の中も単身赴任して
男役大寒の街大股に
寒暁や耳鳴りに耳ふさがれて
毎週日曜日更新のウェブマガジン。
俳句にまつわる諸々の事柄。
photo by Tenki SAIBARA
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