2018-08-19

〔今週号の表紙〕第591号 六所神社 大江進

〔今週号の表紙〕
第591号 六所神社

大江 進

神社の入口や屋根廻りにはさまざまな装飾がほどこされていることが多いが、動物でいうとたいていは鶴や亀や兎や龍といったものである。獅子も定番であるが、モデルとなったライオンの姿など、昔は工人は実際には目にしたことがないだろうから、想像と妄想をたくましくしてさまざまな改変がなされている。

写真は山形県の北西部の八幡町(現在は酒田市)市条地区にある六所神社のものだが、耳がまるでダンボのように大きい。しかも碧眼である。全体の姿形はたてがみをなびかせながら宙を飛んでいるような案配だから、その駆動力の一端はこの大きな耳であるのかもしれない。耳と口と鼻穴が赤く、目は青と、部分的に着色されているのもじつに効果的だ。

神社の名前が耳慣れない六所神社とあるのは、イザナギノミコト、イザナミノミコト、スサノオノミコトなど、六つの命(みこと)を祀っているかららしいが、その方面にはまったく疎い私には不分明である。


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