2008-04-27

1周年記念オフ会 投句一覧

1周年記念オフ会 投句一覧


会場で、参加の皆様に題詠「満」および雑詠で投句いただきました。

どうぞ、コメント欄に、感想をお書き下さい(何句でも)。
投句者だけでなく、読者の皆様も、どうぞ。



移管まで待てとひと手間で満開  井口吾郎

仮想の黄水仙製図機の嘘か    井口吾郎

花果ての涵徳亭の満室に     岩淵喜代子

春陰や群れては魚の透きとほり  岩淵喜代子

受賞者の横一列に春満月     上野葉月

中国産です小手毬の花      上野葉月

満貫の下駄春燈に歩みけり    上田秋雪

つばくらの翻る間や立小便    上田秋雪

春の夜に水を満たして栓をして  上田信治

春宵のすこしづつ減るちらし寿司 上田信治

不満だと振る尾ふとしよ猫の恋  梅崎実奈

鼻のほか湯へ沈めをり朧の夜   梅崎実奈

やはらかき雨や刻々梅の実満つ  遠藤治

あまたあるものからまづは春惜しむ 遠藤治

フラッシュに満ちて緑の夜の館  太田うさぎ

春闌けにけり飯台の底光     太田うさぎ

満室の広間となりぬ春時雨    大穂照久

縁側にゐて春月に近づきぬ    大穂照久

満票で決まりたるミス潮干狩   北大路翼

父の日を言はれなければ日曜日  北大路翼

濡れながら庭満ちてくる四月かな 北川あい沙

次々と賞品の出る春の箱     北川あい沙

洗面器に満ちゆく夏の気配かな  小林鮎美

千年の春の終わりにパンを焼く  小林鮎美

牡丹の満願の日にひらきけり   小林苑を

人いきれの中にしづしづ春の雨  小林苑を

清濁の入り乱れをり新樹の夜   近 恵

春の暮外厠より高き声      近 恵

満室のラブホテルからおぼろ月  斉田 仁

大阪が地下に満ちたる夏はじめ  齋藤朝比古

遠足の帽子あふれて天守閣    齋藤朝比古

春燈のぽたと茶碗に満ちてをり  さいばら天気

春満月溢れ出したる赤き酒    榊 倫代

だんだんに疲れてきたる牡丹かな 榊 倫代

傾いて春爛漫の肥満体      佐山哲郎

春の雨万死に値する接吻     佐山哲郎

穂の満ちてゐし若葉風若葉風   水星人

新緑や受賞者ひとり濡れてゐし  水星人 

たんぽぽのTの字のワインオープナー 末広ガリ男

象遣ひ象遣ふ影春満月      田中亜美

砂と釘のこりし時代鳥雲に    田中亜美

陽炎や写真に水の満ちてゐる   茅根知子

大福に春の重さのありにけり   茅根知子

満足の今年の桜もう終り     寺澤一雄

巣になにも持つて帰らぬ烏かな  寺澤一雄

春の風邪もらふ満場一致にて   中村安伸

曲水の展示室までつづきをり   中村安伸

立てば芍薬遺失物満ちてをり   橋本直

満潮に溺れていないか舟蟲    長谷川裕

雨蛇をへそにあそばす指あそび  長谷川裕

烏龍茶注いで月の満ちにけり   浜いぶき

春の闇コート掛けみな上を向く  浜いぶき

メンタンピンドライチ満貫春闌けて ひらのこぼ

朧夜を真砂女の路地の稲荷まで   ひらのこぼ

春うれひ百のひきだし水満ちて  振り子

青年はときに船焼く匂ひせり   振り子

満潮の風通りぬく夏館      モンテ・カルロ

子ら我に似るな似るなよ鯉幟   モンテ・カルロ

おそ春の窓あかあかと暮れにけり 村田篠

橋のをはりは陽炎の立つところ  村田篠

短夜の佐川満男のまゆ毛かな   山口東人

満足の「満」が席題あたたかし  山口優夢

パーティーの音たわむなり草おぼろ 山口優夢

満々と夕べ来ており緋の牡丹   山崎せつ子

桐の花遠い目をして空曇る    山崎せつ子

満腹で吹く口笛や桜蘂      山下つばさ

春の月満ちて牡丹となりにけり  山本勝之

木の門のねじくれてある木下闇  山本勝之

満役は八千点の牡丹かな     雪我狂流

右胸に名札を付けて春惜しむ   雪我狂流

三角州暖かくあり満ちてあり   笠井亞子

さらさらと約束忘れ春の宵    詠み人知らず







2 件のコメント:

  1. 上田です。週刊俳句1周年記念オフ会に、ご参加下さいましたみなさま、まことにありがとうございました。
    ご投句から、思いつくままに感想を書かせていただきます。

    父の日を言はれなければ日曜日  北大路翼
    これは、もう「歳時記ピース」。

    次々と賞品の出る春の箱     北川あい沙
    わ、見たまんまという嬉しさに「春の箱」の乱暴が許せてしまう。

    砂と釘のこりし時代鳥雲に    田中亜美
    うーん、むなしくって、いいですね。

    春の闇コート掛けみな上を向く  浜いぶき
    「春の闇」が。

    満足の「満」が席題あたたかし  山口優夢
    んまーい! 



    短冊にお名前のなかった句、詠み人知らずとさせていただきました。
    お心当たりの方は、お申し出くだされば、訂正いたします。

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  2. 天気です。たくさんの御参加(45名前後)、ありがとうございました。

    当日のリアリティを中心に、気ままに引かせていただきます。


    花果ての涵徳亭の満室に     岩淵喜代子

    じっさい当日、涵徳亭は満室。隣の「着物の会」静かでおごそかな空気と対照的に、週俳の洋間は、わいわいうるさかったーw(盛り上がったという意味です)


    縁側にゐて春月に近づきぬ    大穂照久

    縁側(というのかな?)が気持ちいい洋間だったのです、会場は。


    右胸に名札を付けて春惜しむ   雪我狂流

    自筆の名札。それぞれ個性がありましたね。


    満足の「満」が席題あたたかし  山口優夢

    開会の辞に続いて、投句の説明。兼題は岩淵さんからいただいた「満」。それを句に仕立てて、じつにめでたい句! 


    受賞者の横一列に春満月  上野葉月

    時間半ばとなって、授賞式。横一列に並んだ大学生諸君は爽やかでしたねえ。この句は、第2回週俳賞「昼の月」(大穂くん)にある「受刑者の横一列やクリスマス」へのオード。よろしき挨拶句。


    次々と賞品の出る春の箱  北川あい沙

    出ました、出ました。


    青年はときに船焼く匂ひせり   振り子

    そういう感じの青年たちでした、じつに。


    春宵のすこしづつ減るちらし寿司  上田信治

    最後に出てきたちらし寿司、「すこしづつ」減っていきました。


    新緑や受賞者ひとり濡れてゐし  水星人

    小雨に濡れながら二次会へ。

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