2009-02-01

週俳新年詠(下)を読む 無記名点盛り表

週刊俳句新年詠(下) 無記名点盛り表
あなたはどの句に点を入れますか?

   1遺されしペンと少年二日はや
   2篝火の炸ぜたる闇や年変る

   3初場所のそして簀の子が干されてゐる
   4客絶えて七草粥の煮ゆるかな
   5四日はやよろけ出れば日向あり
   6羽づくろひ終へ初空へとびたてり
   7初詣エーゲ海のように焼そば
(佐)8内湯から露天へと出る淑気かな
   9親知らず抜き切っていま淑気満つ
   10母と祖母との名前に子がつく鏡餅
   11初空へ波の飛沫のありつたけ
   12日だまりに猫の寝てゐる初詣
   13丑年の牛に引かれて初詣
(美)14二日はや漏斗に吸はれ行く醤油
   15元日の窓にはがらんどうの空
   16目覚しの鳴らずじまひや大旦
   17日溜のそのただ中の福寿草
(美)18あげたき子あげたくなき子お年玉
   19正月やマンゴーの種平べった
(美)20ぽつぺんのぽこんと母の記憶欠け
(美)21ひかへ居らう吾輩は伊勢海老である
(佐)22石鹸に牛の絵のある初湯かな
   23初富士や丈の短き体操着
   24猿の声アリアのごとし深雪晴
   25七種の屑透けてゐる塵袋
   26一月一日が眠さうに歩いてゐる
   27書初のその一画が伸びすぎよ
   28 喪中

   初声や蒙と聞こえてなほ暗し
   29半分を越えた薺の音で行け
   30初夢のみづみづしきを目覚めけり
(美)31伸びゆける夕映えに年新たなり
   32初湯殿最初に濡るる足の裏
   33細胞のそれぞれに生き大旦
   34家の夜が楪に深まつてゆく
   35手羽中のやはく崩るる二日かな
   36弾初のチェンバロの音黒光り
(大)37初売の雑踏に身を流しこむ
   38黒豆は遠くにありて淋しかり
   39初空の青みひつぱる老い支度
   40日の本に鰹出汁あり宝船
(大/佐)41またもとの歩幅にもどる四日かな
   42あらたまの糖衣錠てふ慰めよ
(大/美)43まづ初湯手足喜ばせてみるか
   44明けまして枯山水のしらたきです
(佐)45カワセミは青い点なり初写真
   46新年は一秒の得うるう秒
   47わけまへの千円札や鏡割
   48人日や梅を咲かせてごらうじる
(大/美)49獅子舞のあとの塵浮く日差しかな
   50獅子頭雑踏斜に過ぎりけり
   51椅子高く思へる仕事始かな
(大)52殺戮のにほひや鏡割る祖父に
(大)53日の丸って四面楚歌なの初御空
   54日面の雑木雑草初雀

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