2010-08-22

10句作品テキスト 岡本飛び地 病室

病室  岡本飛び地

カーテンの折り目の固き帰省かな

きらきらと泡立つ皿や秋の声

新米に桃色の箸通りけり

女子大に避雷針ある昼寝覚

看護師の声は大きく南風

夕立にまず腿濡れる交差点

静脈をなぞる台風前夜かな

稲妻に枝分かれある祖母の嘘

三つほど羽の破れてトンボかな

畔道は灯籠の灯の届くまで

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