雉と花烏賊 佐藤文香
梅林に香のなき雨のあがりぎは
くらがりに雉のおさまるお昼どき
春深しみどりの池に木は倒れ
蜆舟きのふの我を積んで戻る
公魚のからだの線を水がゆく
こころ未だぬかずにあるよ花烏賊よ
糸遊や砂場の貝に入る小石
初夏の瞳のまつげを取りに濡れた指
夕焼や襟の光を袖に移し
寝台車夏の冷たい人の手が
●
2012-05-20
10句作品テキスト 佐藤文香 雉と花烏賊
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俳句にまつわる諸々の事柄。
photo by Tenki SAIBARA
雉と花烏賊 佐藤文香
梅林に香のなき雨のあがりぎは
くらがりに雉のおさまるお昼どき
春深しみどりの池に木は倒れ
蜆舟きのふの我を積んで戻る
公魚のからだの線を水がゆく
こころ未だぬかずにあるよ花烏賊よ
糸遊や砂場の貝に入る小石
初夏の瞳のまつげを取りに濡れた指
夕焼や襟の光を袖に移し
寝台車夏の冷たい人の手が
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