第525号 養老鉄道
山中西放
養老鉄道は、駅員など何処にも居ない駅がつづくローカル鉄道。過疎化と車社会の影響をまともに受け衰廃する一方の地方。寂れた駅前ばかりある。そこに旧型電車が継ぎ目レールに大きな音を起てて走る。
家並みや田園に影して走るその電車はまるで過疎田園を鼓舞して走る勇者にも見える。
ローカル電車って何だろうと思う前に自分の乗った電車の影を車窓から映していた。夕方であれば自分の影もが映り込む。
実のところ、その美しく見える束の間の影こそがローカルの本質を物語るように思えてならない。
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