【週俳2020年新年詠の一句】
火のシーン
小西瞬夏
新年の(火を貸してください)枯野 高梨 章
一読、フォークナーの『Barn Burning』、村上春樹の『納屋を焼く』、そして、韓国映画『バーニング』を思った。火のシーンがとても美しかった。焼かれるのを待っているような小屋、そしてそれを焼くという行為が、どんな意味を持つかわからないのに、そうせざるを得ないことの象徴としてある。かっこ書きを使い(火を貸してください)という心のつぶやきのような中七下五の句跨りの切羽詰まった感じは、やかれるのを待っている枯野の声でもあり、燃やさずにはいられない作者の声でもある。また、読者の声でも。ただ「新年」ということで、この「火」はなにか、希望のようなものとして読むことも許されている。
≫2020年新年詠
2020-02-09
【週俳2020年新年詠の一句】火のシーン 小西瞬夏
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