中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
サイモンとガーファンクル「フランク・ロイド・ライトへ捧げる歌」
サイモンとガーファンクル「フランク・ロイド・ライトへ捧げる歌」
憲武●今回からサイモンとガーファンクルの推薦曲ということで、ぼくから行きます。「フランク・ロイド・ライトへ捧げる歌」です。
憲武●原題は「so long, Frank lloyd wright」ですね。
天気●「捧げる歌」という邦題はちょっとヘンですね。「さよなら、フランク・ロイド・ライト」でいいのに。ま、それはともかく、シブい曲を選びましたね。
憲武●ひたすらガーファンクルが「サヨナラサヨナラ」と歌っています。1970年発売の6枚目のアルバム「明日に架ける橋」に収録されてます。
天気●2500万枚売れた大ヒットアルバム。B面2曲目の「ベイビー・ドライバー」が、映画『ベイビー・ドライバー』(2017年/エドガー・ライト監督)で流れたときは、もう絶頂でした。こんなカッコいい曲だったんだあ! と吃驚。
憲武●カントリーっぽい曲ですよね。確かにカッコいいですよ。
天気●はい。ロックンロールでもあるので、ロカビリーですね。
憲武●えー、フランク・ロイド・ライトですが、ボサノバっぽくて好きなんですよね。だからあんまり物悲しい感じがしない。実際はこのあと、活動停止してますから、サイモンからガーファンクルへの別離のメッセージと取る人もいるようです。あ、曲を書いたのはサイモンです。最後の方で"so long already,Artie"と叫んでますね。この叫びのエコー効果もあって空間を感じます。
天気●きれいなメロディ、きれいな響き。
憲武●このアルバムを買ったのは高3の4月頃だったので、個人的には、春を感じる曲です。特に4月のなんというか人にも物事にも馴染めていない感じって、言いますかね。そんなイメージ持ってます。
天気●聴いたときの心情によって、音楽の印象が変わるんですかね。それにして、人生の随所でミスフィット(不適合)を味わってきたんですね。他人のことは言えないけど。
憲武●今でも時々不適合感が。……この曲のなかで「フランク・ロイド・ライト」という名前が3回出てくるんですけど、どれもしっくりしてないような感じがあって、その辺も含めていつまでも魅力的な曲ですよ。
(最終回まで、あと871夜)
(次回は西原天気の推薦曲)
(次回は西原天気の推薦曲)
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