対中いずみ
田中裕明はここでも言葉のやわらかさ、言葉の速度を大切にしている。言葉が汚れることへの忌避もまた。
「晨」1991年1月号(「晨」41号)には十句を発表しているが、五句のみ引く。前年の晩秋、宇佐美魚目らと多治見修道院吟行をしているから、その折の作品であろう。
「晨」1991年1月号(「晨」41号)には十句を発表しているが、五句のみ引く。前年の晩秋、宇佐美魚目らと多治見修道院吟行をしているから、その折の作品であろう。
蓼の花修道院の一室に
生年と没年の間露けしや
マタイ書に道といふ文字末枯れて
告解や露の膝より霜の指
鍵穴の大きく棗あかあかと
生年と没年の間露けしや
マタイ書に道といふ文字末枯れて
告解や露の膝より霜の指
鍵穴の大きく棗あかあかと
≫読書室 はじめての詩との出会いは『心のなかにもっている問題』長田弘著
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