後記 ◆ 福田若之
連日同じような言葉の並びに触れていると、やむをえないこととはいえ、伝えられている出来事より先に、単調にならざるをえない言葉の繰り返しそのものに気が滅入ってくることがあります。そんなとき、僕にはアナグラムが良い気晴らしになってくれるようです。
「新型コロナウイルス」も、ひらがなにひらいて並び替えれば、「口論する長い舌」や「白いうんこなる姿」に変わってしまう。アナグラムが気を楽にしてくれるのは、ごちゃごちゃ文字を動かしているあいだ、すこしだけ、もとの言葉の意味を忘れることができるから。
たしかに気休めにすぎないかもしれません。文字をばらしたところでウイルスがなくなるわけでもないでしょう。それでも、気休めは必要です。紙のうえを砂場にすることを、こんなときだけど、大切にしたいと思うのです。
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それではまた次の日曜日にお会いしましょう。
「新型コロナウイルス」も、ひらがなにひらいて並び替えれば、「口論する長い舌」や「白いうんこなる姿」に変わってしまう。アナグラムが気を楽にしてくれるのは、ごちゃごちゃ文字を動かしているあいだ、すこしだけ、もとの言葉の意味を忘れることができるから。
たしかに気休めにすぎないかもしれません。文字をばらしたところでウイルスがなくなるわけでもないでしょう。それでも、気休めは必要です。紙のうえを砂場にすることを、こんなときだけど、大切にしたいと思うのです。
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それではまた次の日曜日にお会いしましょう。
no.678/2020-4-19 profile
■小沢麻結 おざわ・まゆ
「知音」同人。句集『雪螢』、共著『超新撰21』。
■小沢麻結 おざわ・まゆ
「知音」同人。句集『雪螢』、共著『超新撰21』。
■西村麒麟 にしむら・きりん
1983年生れ、「古志」所属。 句集『鶉』(2013・私家版)、『鴨』(2017・文學の森 )。第4回芝不器男俳句新人賞大石悦子奨励賞、第5回田中裕明賞(ともに2014)を受賞。
■瀬戸正洋 せと・せいよう
1954年生まれ。れもん二十歳代俳句研究会に途中参加。春燈「第三次桃青会」結成に参加。月刊俳句同人誌「里」創刊に参加。2014年『俳句と雑文 B』、2016年に『へらへらと生まれ胃薬風邪薬』を上梓。
1994年、「炎環」入会とほぼ同時期に「豆の木」参加。2000年「炎環」同人。03年「炎環」退会。04年「炎環」入会。08年「炎環」同人。
■上田信治 うえだ・しんじ
■上田信治 うえだ・しんじ
1961年生れ。句集『リボン』(2017)共編著『超新撰21』(2010)『虚子に学ぶ俳句365日』(2011)共編『俳コレ』(2012)ほか。
■西原天気 さいばら・てんき
■西原天気 さいばら・てんき
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