2020-06-21

後記+プロフィール687

後記 ◆ 岡田由季

総合誌で前号の作品を批評する際、「鼎談」などの、座談会形式の記事がありますよね。私が所属する結社の結社誌にも似たものがあり、俳句を読むときの当たり前のやり方になっているのだと思います。ふと気になったのですが、あれは時に、必要以上に権威っぽく見えたりしないでしょうか? キャリアのある評者が顔を並べると、個々人が評を執筆する場合に比べ、どこか格付け機関的な様相を呈してくるというか・・・。

一堂に会して評をすると、違う価値観が示されることによる議論の深まりなど、メリットが多いのは理解できます。ただ、誌上作品を網羅的に読む場合など、多くの俳句作品を対象にする場合には、紙幅の関係もあり、簡単なコメント(時に否定的な)で終ってしまう作品もあります。実際には評者の俳句観を背景に、理由があって出てきたコメントなのでしょうが、受け取る側の印象として、「話の流れで、簡単にジャッジしている」ということにならないでしょうか。

個人的には、読み手の見識には期待するのですが、権威はいらないかなぁ、と思います。
 
昨今の状況で、「集まる」ということも難しくなっていることだし、今までのやり方を疑ってみるものよいのではないか、無責任な外野の立場ですが、そんな風にも思いました。



それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。


no.687/2020-6-21 profile

■小津夜景 おづ・やけい
1973年生まれ。無所属。句集『フラワーズ・カンフー』 。随筆『カモメの日の読書 漢詩と暮らす』。ブログ「フラワーズ・カンフー」

■中嶋憲武 なかじま・のりたけ
1994年、「炎環」入会とほぼ同時期に「豆の木」参加。2000年「炎環」同人。03年「炎環」退会。04年「炎環」入会。08年「炎環」同人。

■堀田季何 ほった・きか
東京生。「楽園」「中部短歌」所属。

西原天気 さいばら・てんき
1955年生まれ。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。笠井亞子と『はがきハイク』を不定期刊行。ブログ「俳句的日常」 twitter

岡田由季 おかだ・ゆき
1966年生まれ。「炎環」同人。「豆の木」「ユプシロン」参加。句集『犬の眉』(2014年・現代俳句協会)。ブログ 「道草俳句日記」

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