【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】
クレージーキャッツ「Crazy Rhythm」
天気●犬塚弘が10月27日に亡くなりました(94歳)。これでクレイジーキャッツ全員が鬼籍と人となったわけです。
天気●メンバーそれぞれが喜劇人、クレイジーキャッツ全体としては冗談音楽として歴史に残るのですが、ジャズバンドとして正統的な演奏をしていたことがよくわかる動画です。トラッペットその他、音を足して、嵩上げした演奏ではありますが。
憲武●これは「シャボン玉ホリデー」からの映像でしょうね。この中で現在生きている人は、ダンサーの小井戸秀宅(87歳)だけです。犬塚弘は出生地が大田区の大森で下戸ということで、僕と出生地が同じことと下戸ということで、クレージーキャッツの中では親近感を持ってたんです。いつも誠実な感じのところも好きでした。なんかこうテレビに出てくると、ホッとするといいますか。
天気●同じくベーシストのいかりや長介にも言えるのですが、長身の人はベースがよく似合う。いかりや長介は175センチ、犬塚弘は179cm。前回のロバータ・フラックの曲で弾いていたロン・カーターは190センチ以上だそうです。
憲武●ウッドベース自体が大きな楽器ですから、奏者も大柄な人がサマになるんでしょうね。チャーリー・ミンガスも大きい人だったんでしょうか。
天気●チャーリー・ミンガス、でかくて有名です。ジャコ・パストリアスとかも高身長。あとね、植木等のコード弾きとか、かなり上手に見えます。
憲武●ボーカリストとしてはよく知られてますが、ギタリストとしては、これは貴重な映像でしょうね。ギブソンをジョン・レノンのように高い位置で構えてますね。
天気●ジャズ・ギターはなべて位置が高いですけどね。それはそうと、クレイジーキャッツがいかに人気だったかを知るのは、老人だけでしょう。つまりは、戦後の残滓がいよいよ残り少なくなったということです、犬塚弘の死は。
(最終回まで、あと686夜)
0 comments:
コメントを投稿