【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】スライ&ザ・ファミリー・ストーン「Thank You」

【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】

スライ&ザ・ファミリー・ストーン「Thank You」

天気●スライがこの6月9日、82歳で亡くなりました。少年ぽい容姿のイメージが強いので、82歳というのはちょっと意外。ミック・ジャガーと同い年。俳人でいえば、憲武さんの師匠、石寒太さんと同い年です。

憲武●1943年生まれですね。

天気●残した音源は多くない。けれども、いい曲・いい演奏が多くて、何を聴くか、ひじょうに迷いましたが、ゆったり8分近くのライブを。

 

天気●TV番組「ソウル・トレイン」はレコードをかけて口パクのパターンも多かったのですが、これはライブ。リズムのタイトさを聴くならスタジオ盤がいいのですが、 これはこれで、ちょっとゆるい、良好なグルーヴ。それに、なにより祝祭的な感じがいいです。

憲武●「ソウル・トレイン」観てましたが、覚えてないんですね。それにしても意外と笑顔がかわいいです。

天気●曲のリリースは1969年ですが、このステージがいつかは調べがつきませんでした。ベースが、見た目の判断ですが、ラリー・グラハム（あの、チョッパーで有名な）ではないようですので、1972年以降かも。

憲武●そうですね。脱退しましたよね。このバンド、兄弟、友人、その親戚と仲がよさそうな感じが好きでした。

天気●悪魔が銃を手に、ニヤニヤしてる♪　といった歌詞で始まって、なかなかに不思議な歌です。サビでは、自分を取り戻させてくれて、ありがとー♪　たなかんじで、スライ、というか、このバンドは、きほん、ポジティヴなことを歌います。

憲武●そうそう、ポジティブです。なんか憎めない感じなのは、前向きな姿勢だからですね。明るい。

天気●ファンクは、日々を愉しく、がテーマ（と思っている）。スライの音楽にサンキュー！　です。

（最終回まで、あと606夜）