週刊俳句 Haiku Weekly
毎週日曜日更新のウェブマガジン。
俳句にまつわる諸々の事柄。
photo by Yutaka KANOO
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2016-07-31
〔その後のハイクふぃくしょん〕ステージ 中嶋憲武
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〔その後のハイクふぃくしょん〕 ステージ 中嶋憲武 スタンドマイクの前に立つと、雨の音が聞こえた。雨音と思ったのは、拍手の音だったのかもしれない。 振り切ろう。るんなを見ると、Bのコードを押さえて、人差し指で、ふわっとセーハした。るんながこちらを見た。みこもこちらを見た。三...
2016-06-05
〔その後のハイクふぃくしょん〕喪服を脱いでから 中嶋憲武
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〔その後のハイクふぃくしょん〕 喪服を脱いでから 中嶋憲武 前の車のナンバープレートを厭というほど見ている。さっきからずっと動かない。カーオーディオからカーティス・メイフィールドの「トリッピング・アウト」が流れて、日曜の午後の憂鬱を少しは軽めにしてくれていた。 川魚...
2016-05-08
〔ハイクふぃくしょん〕父の曲 中嶋憲武
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〔ハイクふぃくしょん〕 父の曲 中嶋憲武 『炎環』 2014年12月号 より転載 あたまの中でときどきあの曲が鳴った。それはたぶん曲にはなっていなかったのかもしれないけれど、みよこちゃんがひいていた曲だ。ゆめをみているときに、あたまの中のどこかのへやで小さく聞こえて...
2016-05-01
〔その後のハイクふぃくしょん〕黒湯 中嶋憲武
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〔その後のハイクふぃくしょん〕 黒湯 中嶋憲武 朝、目が覚めた時、部屋の奥まで明るかったので、やっちゃった、不覚、と思って時計を見たら、まだ早い時刻だったので、もうちょっと寝ようと思ったその時、そうだ、今日は日曜だったんだと気がつき、更なる喜び。わたしの回りに薔薇の...
2016-04-10
〔その後のハイクふぃくしょん〕ジャム 中嶋憲武
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〔その後のハイクふぃくしょん〕 ジャム 中嶋憲武 この部屋は、一体何度めの部屋になるのだろうか。おそらく七、八回めになるかもしれない。 引っ越すたびに部屋は狭くなっていった。狭くなるたびに、いろいろなものを捨ててきた。母の大事にしていた仏手柑の鉢植えは、煩わしく思い...
2016-02-14
〔その後のハイクふぃくしょん〕キョンさん 中嶋憲武
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〔その後のハイクふぃくしょん〕 キョンさん 中嶋憲武 「一緒に住まねえか」と言われ、その気になって、今では一緒に暮らしている。こう言うと、お互い対等な間柄のようであるが、僕がキョンさんの家に転がり込んだのだ。 キョンさんは、二十歳ほど年長で、仲間うちでは、「キ...
2016-01-24
〔ハイクふぃくしょん〕覚 中嶋憲武
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〔ハイクふぃくしょん〕 覚 中嶋憲武 『炎環』 2014年4月号 より転載 ちょっと休んでくかと、伝法な口調でスナミさんは言うと、いかにも通い慣れてると云った態で、そのオレンジ色のドアを押した。オレンジ色のガラスに「純喫茶らん月」と明朝体の文字が白くプリントされてい...
2016-01-10
〔ハイクふぃくしょん〕限界と終局 中嶋憲武
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〔ハイクふぃくしょん〕 限界と終局 中嶋憲武 『炎環』 2013年6月号 より転載 どれくらい経ったのだろう。仕事で近くまで来たので、懐かしくなって寄ってみたが、あの頃と同じ様子で建っている。木造モルタル造りの二階建て。破風の白いところに「あけぼの荘」と墨文字で太々...
2015-12-06
〔ハイクふぃくしょん〕握手 中嶋憲武
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〔ハイクふぃくしょん〕 握手 中嶋憲武 『炎環』 2014年5月号 より転載 ユッコとケンタは二人で帰った。あいつら怪しいよとヨシヒコが呟く。この頃練習のあとは頻繁に二人で帰る。つき合ってるのかなとぼく。いつからつき合ってるんだろとエリカ。ぼくらは大学の軽音楽部内で...
2015-11-22
〔ハイクふぃくしょん〕家族 中嶋憲武
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〔ハイクふぃくしょん〕 家族 中嶋憲武 『炎環』 2014年6月号 より転載 家出した。とっても寒い日曜の午後だ。 「トウコちゃん、塾の時間でしょ」 母の言葉に背いて、時間になってもぐずぐずしていると、母の言葉は次第にきつくなり、いらいらとしたわたしは、塾な...
2015-10-18
〔ハイクふぃくしょん〕マゲ 中嶋憲武
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〔ハイクふぃくしょん〕 マゲ 中嶋憲武 『炎環』2013年3月号より転載 「この辺か?」 「この辺だよ」俺と新太は並んで立った。 俺は百六十センチ。新太は百八十センチ。並んで立つとR2-D2とC3POみたいだ。郊外の私鉄の小さな駅前。ちょうど夕方の帰宅どきで、...
2015-10-11
〔ハイクふぃくしょん〕靴下 中嶋憲武
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〔ハイクふぃくしょん〕 靴下 中嶋憲武 『炎環』2014年2月号より転載 「そうして我々は世界に君臨するのです」いつもながら壮大な水岡先生のお話を聞きながら、窓の外を眺める。舗道にセキレイがやって来ていて、長い尾羽をパタパタ上下に振っている。めんこいこと。何のお話を...
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