モノの味方 〔4〕 ……五十嵐秀彦
コンピュータ
初出:『藍生』2006年12月号
自宅のコンピュータは既に五代目となり、代々「コンタ」と呼ばれている。最初は「カイエ」なんてしゃらくさい名前をつけてもらっていたのに、いつしか曲の無い名前にされてしまった。しかもうまいこと動かないときには「コン・チクショー」と呼ばれている。
コンタ君はそれでも普段は重宝なやつで、腰の重い私にかわって遠くの友人たちとのパイプ役になってくれている。それがなければとっくにお役御免になっていただろう。
今、インターネットとかいう地下通路が網の目のようにはりめぐらされていて、そこをくぐって何人もの俳句の友人ともおしゃべりをさせてもらっている。思いがけない人との交流もできた。文字だけによる交流の胡散臭さもあるが、しかしこれもまたひとつのありかただと思う。私にとって、コンタはひとつの窓となってくれている。
でも、ときどきいきなり黙りこくってしまう悪い癖だけは直してもらいたいものだ。自分を見ているようで、不愉快なのである。
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