2008-01-20

林田紀音夫全句集拾読002 野口 裕

林田紀音夫全句集拾読  野口 裕 002








箱がかなりきつく作られているので、本体を包んでいる半透明の薄紙(グラシン紙というらしい)がすぐに破れそうだ。はたして何回持つか。


木琴に日が射しをりて敲くなり

今から名演奏が始まるような雰囲気はない。日の光が暴力的な装置として働き、音を狂わせてしまう。

町の鳩雨がつづけば歩むなり

いつもは気がつかない鳩の歩みに気がつく。雨が続くせいだ。認識主体は町にいる。戦後の町に。

揚羽出て高さ失ふ水の上

失墜感は隠しようもない。




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