林田紀音夫全句集拾読 野口 裕 002
箱がかなりきつく作られているので、本体を包んでいる半透明の薄紙(グラシン紙というらしい)がすぐに破れそうだ。はたして何回持つか。
木琴に日が射しをりて敲くなり
今から名演奏が始まるような雰囲気はない。日の光が暴力的な装置として働き、音を狂わせてしまう。
町の鳩雨がつづけば歩むなり
いつもは気がつかない鳩の歩みに気がつく。雨が続くせいだ。認識主体は町にいる。戦後の町に。
揚羽出て高さ失ふ水の上
失墜感は隠しようもない。
■
■■
2008-01-20
林田紀音夫全句集拾読002 野口 裕
Posted by wh at 0:30
Labels: 野口裕, 林田紀音夫, 林田紀音夫全句集拾読
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 comments:
コメントを投稿