標本空間 佐藤文香
雪の日のやうな朝日が紫陽花に
兄からは水晶もらふ夏の風邪
シトロンに手帖の路線図がうつる
盾にせし言の葉の浮く桜桃忌
明易や吊れば滴るネガフィルム
左手に浜木綿ふるる遠出かな
ひた並ぶ昼の街灯あげはてふ
麦笛に真白な空の近く見ゆ
八月や水面は岸に切りとられ
大皿の酢豚冷めゆく星月夜
■
■
■
2008-06-15
10句作品テキスト 佐藤文香 標本空間
登録:
コメントの投稿 (Atom)
毎週日曜日更新のウェブマガジン。
俳句にまつわる諸々の事柄。
photo by Tenki SAIBARA
標本空間 佐藤文香
雪の日のやうな朝日が紫陽花に
兄からは水晶もらふ夏の風邪
シトロンに手帖の路線図がうつる
盾にせし言の葉の浮く桜桃忌
明易や吊れば滴るネガフィルム
左手に浜木綿ふるる遠出かな
ひた並ぶ昼の街灯あげはてふ
麦笛に真白な空の近く見ゆ
八月や水面は岸に切りとられ
大皿の酢豚冷めゆく星月夜
■
■
■
0 comments:
コメントを投稿