2008-06-08

【週俳5月の俳句を読む】さいばら天気

【週俳5月の俳句を読む】
さいばら天気いまどきの密閉式ではなく



住まい方にもよるだろう、また人にもよるのだろうが、家が自分になじむのに、ずいぶんと時間がかかることがある。いつまで経っても、いま住んでいるいる家が「我が家(home)」という感じがしない。そういうことってありませんか? いつになっても住居と自分との違和を感じること。

住まい方と言ったのは、生まれ育った家に住み続ける人にとっては、そんな違和感、ぴんと来ないかもしれないので。また人によっても違うのかもしれません。

  遅き日やここを住まひと厠に居   近 恵

まさか厠を住まいとするわけではないでしょう。あるとき厠にいて、ふと、いま住んでいる「ここ」を住まいだと…。

諦念なのか覚悟なのか。否、そんな大げさな心の動きではなく、もっと何気なく小さな変化。

「遅き日」というのだから、いまどきの密閉式ではなく小さな窓のある厠なのでしょう。家族がいてもいなくても、厠では、ひとりです。そのとき、家と自分の違和がほどけて、なじむ。こういうたぐいの慰安、気持ちがふわっと楽になる瞬間というのは、生きていくうえで、とても大切なことのような気がしました、この句を読んで。
   


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「春 や 春」……近 恵/星 力馬/玉簾/中嶋憲武 →読む
 
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