【週俳5月の俳句を読む】
さいばら天気いまどきの密閉式ではなく
住まい方にもよるだろう、また人にもよるのだろうが、家が自分になじむのに、ずいぶんと時間がかかることがある。いつまで経っても、いま住んでいるいる家が「我が家(home)」という感じがしない。そういうことってありませんか? いつになっても住居と自分との違和を感じること。
住まい方と言ったのは、生まれ育った家に住み続ける人にとっては、そんな違和感、ぴんと来ないかもしれないので。また人によっても違うのかもしれません。
遅き日やここを住まひと厠に居 近 恵
まさか厠を住まいとするわけではないでしょう。あるとき厠にいて、ふと、いま住んでいる「ここ」を住まいだと…。
諦念なのか覚悟なのか。否、そんな大げさな心の動きではなく、もっと何気なく小さな変化。
「遅き日」というのだから、いまどきの密閉式ではなく小さな窓のある厠なのでしょう。家族がいてもいなくても、厠では、ひとりです。そのとき、家と自分の違和がほどけて、なじむ。こういうたぐいの慰安、気持ちがふわっと楽になる瞬間というのは、生きていくうえで、とても大切なことのような気がしました、この句を読んで。
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「春 や 春」……近 恵/星 力馬/玉簾/中嶋憲武 →読む
縦組30句 近 恵 →読む /星 力馬 →読む
/玉簾 →読む /中嶋憲武 →読む■菊田一平 「指でつぽ」10句 →読む■Prince K(aka 北大路翼) 「KING COBRA」 10句 →読む
2008-06-08
【週俳5月の俳句を読む】さいばら天気
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