〔週俳9月の俳句を読む〕野口る理
永らえるということ
月白の蔓さまざまのゆくさきざき 池田澄子
蔓の伸びてゆく先を照らすように月明かり。
うつくしい門出を見ているようだ。
リズムの楽しさに、どこへでもゆける蔓の自由さを感じさせる。
けれど、蔓の自由さとは月に導かれた必然性の上にあるのかもしれない。
ねむは実に汽船は沖に永らへて さいばら天気
とても安らかな気持ちになれる句。
ねむのやわらかな、それこそ眠りのイメージと、
沖のはるかな、遠くてよく見えないイメージ、
それらが、永らえるということへの入口を作っているような気さえする。
■ 桑原三郎 ポスターに雨 10句 →読む■ 中村十朗 家に帰ろう 10句 →読む■ 池田澄子 よし分った 10句 →読む■ 武井清子 笹山 10句 →読む■ さいばら天気 チェ・ゲバラ 10句 →読む
●
2008-10-19
〔週俳9月の俳句を読む〕野口る理 永らえるということ
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 comments:
コメントを投稿