後記 ● 村田 篠
昨日は三の酉の日。
夕方から、東京・台東区は千束の鷲(おおとり)神社へ、ぶらぶらと出かけてゆきました。
暮れゆく神社の境内で、きらきらと輝く大熊手を眺めながら、威勢のいい手締めの音をいっぱい聞けたらいいな。
……などと暢気に考えていたのですが、これが大きな間違いでした。
神社の周りには二重三重に行列ができ、歩けども歩けども、人、人、人の人ばかり。
どこが入り口なのか、それすらもよく分からないほどの混みようで、とても神社の中になど入れたものではありません。
土曜日の三の酉、しかも気持ちよく晴れた一日、好条件が重なったということもあるでしょうし、来年こその商売繁盛への願いの大きさを表してもいる人の数、なのでしょう。
ソースやら山椒やらチョコレートやら、いろいろな匂いのあふれる屋台の間を抜け、ようやくたどりついたのは神社の「出口」。
結局、そこから熊手のきらきらを垣間見るのが、精一杯でした。
お酉様を離れて少し歩くと、西の空に、ひときわ大きく輝く星が見えました。
金星だよ、という誰かの声がして、立ち止まり、眺めいること、しばし。
ああ、来てよかったな、とほんのり思いました。
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それでは、また、次の日曜日にお会いしましょう。
no.084/2008-11-30 profile
■谷さやん たに・さやん
1958年愛媛県生まれ。「藍生」「船団」「いつき組」所属。句集『逢ひに行く』で、第一回宗左近俳句大賞受賞。坪内稔典との共編『不器男百句』。
■斉田 仁 さいだ・じん
1937年群馬県高崎市生まれ。1971年「麦」入会。現在「麦」同人、現代俳句協会会員。句集に『斉田仁句集』(1982年・八幡船社)ほか。
■大石雄鬼 おおいし・ゆうき
1958年生まれ、埼玉県育ち。現代俳句協会会員、「陸」同人、「豆の木」所属、平成8年に現代俳句協会新人賞。1年前に豆の木賞。
■山口優夢 やまぐち・ゆうむ
1985 年、東京生まれ。東京大学理学部四年生。東大・早稲田など東京の学生俳句サークルやTHCの句会などに参加。第六回俳句甲子園団体優勝・個人最優秀賞。第二回龍谷大学青春俳句大賞大学生部門最優秀賞。第四回鬼貫青春俳句大賞優秀賞。好きな惑星は火星。ブログ「そらはなないろ」
■三宅やよい みやけ・やよい
1955年神戸市生まれ。現代俳句協会会員。「船団の会」会員、「豆の木」に参加。句集『玩具帳』『駱駝のあくび』。清水哲男『新・増殖する俳句歳時記』木曜日担当。
■野口 裕 のぐち・ゆたか
1952 年兵庫県尼崎市生まれ。小池正博と二人誌「五七五定型」を年に一度出す。昨年11月に、第二号を発行。入手希望の方は、 yutakanoguti@mail.goo.ne.jpまで(定価なし)。その他、「もとの会」、「北の句会」、「樫句会」、「逸」、「垂人」に参加。 サイト「野口家のホームページ」
■かまちよしろう かまち・よしろう
漫画家。1949年静岡県生まれ。早稲田大学漫画研究会、谷岡ヤスジのアシスタントを経て漫画家デビュー。代表作「こにくらじいさん」。現在、俳句と漫画のコラボをめざしたブログ「漫俳」を展開中。
■小林哲也 こばやし・てつや
1957 年兵庫県伊丹市生まれ。サイト"April in Snow"(現在、更新停止中)、ブログ"豆腐に柳" を細々と運営中。
■さいばら天気 さいばら・てんき
1955年兵庫県生まれ。97年「月天」句会で俳句を始める。1998~2007年「麦」在籍。現在「豆の木」会員。現代俳句協会会員。ブログ「七曜堂」、「俳句的日常」
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2008-11-30
後記+プロフィール084
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