2008-11-16

帰宅ラン 第5回 完走? LUGAR COMUM

帰 宅 ラ ン LUGAR COMUM
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第5回 完走?



天下の往来。今日は車の走らないアスファルトを、ドドドーッと団子状になって下りおりる。交錯しないように気をつけながら、徐々に左側、舗道の方へと寄ってく。

11月9日(日)世田谷246ハーフマラソン。

「沿道の皆さんが、背中を押してくれました」とは、クリシェ。でもね、ホントなんだな、これは。いつも、頼りにしてる。

ふだん練習で走っている狭いサイドウォークには、有り難いことに、今回も応援が鈴なり。頭上の歩道橋や、ビルの窓からも笑顔と歓声が降ってくる。

…すいませんね、皆さんね。ご近所お騒がせの上、今朝は車も使えませんね、それなのに寒い中、こうして応援してくださる。…と、こっちを向いた笑顔には、出来るかぎり笑顔を返す。

皆、新聞社が配ったらしい赤い紙の旗を持ってる。ランナーの一陣か、北風か、時折、いっせいにシャーシャーシャーと、凄い音。一瞬、声援もかき消される。

3キロ地点。そろそろ身内が待ってるはず。あ、居た、おーい、と手を降ると、ムスメをはじめ、一斉にケータイのカメラを向けて、「こっち! 目線、目線!」とか叫んでる。あっという間に通り過ぎちゃった。

5キロ地点。国道と別れて、側道から川沿いへ。ん? お囃子の音…と思ったら、サイクルロードの芝生の斜面に、おばあさんたち。看護婦さんに付き添われ、でんでん太鼓を叩いてる。手を振ったら、皆、破顔。

10キロ地点。中間のチェックポイントで、何故か仕事仲間に出くわす。またハイタッチ。お前ら、わざわざ? いえ、仕事でーす。ショクナイでーす。なるほど、集音マイクを担いでる。

15キロ地点。最後の給水所。ボランティアのおじさんとかチアリーダーが「ファイトー」と。紙コップを用意して立ってくれてる。手前のおじさんをスルーして、ポニーテールのお姉さんに手を差し出す。ごめんね、おじさん、これ人情。

難所の上り坂では、応援もいちだんと熱く。こっちの足は限界だけど、痩せ我慢。半ばやけ気味になってでも、返事をかえせば、もう一声もらえるから。

「頑張ってー」「頑張りまーす」「お、いいねー」とか。「坂、もう少しだぞー」「はーい」「余裕あるあるー」とか。「711、いい番号だー」「ういーす」「前、抜いちゃえー」とか。これらを全部、最後のガソリンに。

18キロ地点。スパートするにはまだ早いけど、曲がり角にジャージ姿のおじさんが。3塁コーチみたいに腕をグルングルン。コーフンして、何かまくし立てる。

「短いから! 終わっちゃうから! 余力がある人、全力! 全力!」

別のランナーにも、同じことを。…どうしたの? ヘンな人?

19キロの看板、通過。あと2キロ。でも、係りの人に、競技場のタータンへと、誘導されてしまう。…これまでの距離表示が間違ってた? スパートする間もなく、計測ゲートに。とりあえず、両手を挙げたグリコのポーズだけは決めて、ラインを通過した。

時計を見ると、変。ありえない自己新記録が…。半信半疑のまま、ゼッケンの計測チップをはぎ取って、係員に手渡すと、「…あの、すいませんでした」と。


世田谷246ハーフマラソンの開催結果についてハーフマラソンコース誘導誤りのお詫び この度、11月9日(日)に開催いたしました第3回 世田谷246ハーフマラソンにおいて、コース誘導を誤り、1137.9mほど距離が不足いたしました。従いまして、実際の距離が19.9596kmとなることから、今回の記録は公認記録となることができませんでした。参加された方や関係する皆様に深くお詫び申し上げます。今後、このような事態を招くことがないよう再発防止に努め、安心して参加できるよう取り組んでまいります。

そういうことー!


[11月の走行距離: 83.2 km]

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