〔今週の haiku mp:動画〕
歌って踊る1970年代前半の黒人ソウルグループ compiled by tenki
この時代の黒人ソウルグループが「動いている」映像は、テレビ番組「ソウルトレイン」(若き日のバラク・オバマが踊っている10秒くらいの映像がいま話題の「ソウルトレイン」)を除けば、YouTubeにも多くはありません。でも、やはり、動いている彼らは格別。お揃いの衣裳、キメの振り付け、オーバーな表情、どれをとっても「ショウ」の魅力が充満しています。
〔1970年代前半のソウルコーラスグループ、どこが良いのか〕
1 歌も踊りも、イナセである。
2 この分野の演奏の洗練度が急速に高まった時期。60年代はまだガリガリしたR&Bの音。70年代前半から流麗さが際だってくる。70年代後半以降は、さらに凝って、またファンクの要素も入ってくるので、ちょうどこの時期、70年代前半が「歌謡曲的」洗練の極致。
3 米国の各都市で、それぞれ違った味がある。モータウン(デトロイト)、シカゴ、フィラデルフィア、ニュージャージー等々、北部だけでも、それぞれ特徴のある音。これに南部も加わる(今週の3つはいずれも北部)。音楽は、国境があるからおもしろく、さらに県境、町境まであるのでおもしろい。
4 1970年代前半のアメリカは、ベトナム戦争(1959-75)の終盤期。ポピュラー音楽全般が社会性・メッセージ性を強め、「いつまでも色恋沙汰ばかりじゃダメでしょ?」といった空気が濃くなる。そんななか、色恋沙汰ばかりを歌っている。
〔今週のラインアップ〕
1) The Dramatics: (I'm Going By) The Stars In Your Eyes 日月火(予定)
1975年リリース。ドラマティックスはデトロイト出身ですがモータウンレコード所属ではありません。地域性を超えてこの時期の黒人歌謡のエッセンス的なものも感じさせます(それゆえソウルファンの評価は低いかも)。リードボーカルが曲の部位によっていろいろ変わっていくのも、見せ場・聞かせどころのキモ。
2) The Chi-Lites: Have You Seen Her 水木(予定)
1971年リリース。「語り」から入る曲はめずらしいのですが、このグループの十八番(オハコ)。Letter to Myself という曲も、なんともめめしく涙溢れる語りから入ります。シカゴ出身のグループ。The Chi-Litesはさしずめ「シカゴの灯」といったところでしょうか。
3) Harold Melvin and the Blue Notes - The Love I Lost 金土(予定)
映像は現役当時ではなく、後年、懐メロ番組での歌唱のようです。リードボーカルの人、バッターボックスに立っても3割・30本は打ちそうな感じ。この頃のソウルボーカルにスウィートなボーカルが多いなか、野太く歌い上げます。
The Love I Lostは1973年リリース。ステージの初っぱなでもラストでもアンコールでもどこでも行ける、いわゆるキラーチューン。前奏(イントロ)の長さはフィラデルフィア・ソウルの特徴のひとつ。
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2008-11-09
〔今週の haiku mp:動画〕歌って踊る1970年代前半の黒人ソウルグループ
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