2009-02-01

週俳新年詠を読む 佐藤家編

〔佐藤家編

選者=心太、ふく福、summy 司会=文香
(心太とふく福は5句、summyは厳選の3句選です)


 びっくりするほど誰もかぶってないので、では心太さんから、選んだ句と理由を言ってください。

 「2去年今年ストローほどの縁かな」、大虚子は棒だった。(?)
「11白くしづもる雑煮家なき人の世に」。「白く」は、餅やろうね。でも白味噌ってことにして、白味噌の雑煮を全国民に広めたい(※1)。

 「家なき人の世に」が、今の世の中を言うとるから、そこがちょっとくさかったな。

 「12かちかちと火点す音の淑気かな」は、空気が新しい感じ。淑気にやられた。

 「かちかち」が音やから、「音」はいらんのでは。

 「14はひはひの子のつき進む淑気かな」。これも淑気にやられた。

 正月で親戚が集まって、「ほらこっちおいでおいで」ってやってる感じかな。

 「16夜更けての年始帰りへ会釈かな」。一体丸一日何をしてたのか。非常にリアリティがある。

 続いてふく福さんお願いします。

 「7平治物語絵巻の牛車初雀」は、絢爛豪華な力強いものと、そこにいる卑俗な雀の組み合わせがよい。
「8初刷や上に猫寝て寝返りて」。「初刷」はあらたまった特別のものやけど、猫はいつものようにだらりとしている。
「9輪飾の太き整骨院であり」は、輪飾の強さと整骨院の強さが合ってる。
「15工場の裏も七福神巡り」、めでたい「七福神巡り」のコースに工場の裏もあったりするという現実。
「5凧上がるや資本主義老いぬ」、みんな凧の上がってる空を見ているけど、自分の生活はあやふや。

 結局11の「家なき人の世に」の裏返しなんよ。

 そうやね。

 じゃぁsummyさん。

S 「6屠蘇なめて家長のごとき男かな」は、「家長のごとき男」であって家長ではないのがいい。だいちゃん(※1)を思い出した。
「3正月と言われて小鼻むず痒い」。そういえばそうや。

 ほんまか!?

S 「19注連縄を使い回して拝みけり」は、「使い回して」と「拝みけり」が対極。ありがたみをかんじんかい!

 人間の信心なんてそんなもんよ。


(※1)白味噌の雑煮を全国民に広めたい→心太は香川出身で、実家の雑煮は白味噌餡餅。
(※2)だいちゃん=summyの彼氏、眉毛が太くて小心者のいい子。

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