2009-04-12

小川軽舟 仕事場


週刊俳句第103号 2009-4-12 小川軽舟 仕事場
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1 コメント:

民也 さんのコメント...

 黒板に散らかる声や桃の花  小川軽舟


そうです。居ました。生徒に完全に舐められている教師。授業時間中、教室いっぱいのおしゃべりが絶えない。教師は何度も振り向いては「うるさい、静かにしろっ」とどなるんだけど、生まれついての性なのか、声に迫力がまったくなくて、まるっきり叱りの効き目なし。しかたがないので、教師はまた黒板に向かうんだけど、後ろから聞こえる複数の声の雑音と、黒板から跳ね返ってくる生徒らの声のコダマの二重苦の中で、教師としての務めを(少なくとも僕がその学校にいた期間)全うしようと頑張っていましたっけ。

その時、僕にできたことは、自分だけでも私語には加わらないと言うことと、先生の授業はしっかり聞いています、ということを証明したくて、その教師の受け持つ科目は僕の超苦手な科目だったけど、猛勉強して、テストの回答率をあげようと必死だった。僕はその先生のことが人としてとても好きだったんだよ。

でも今思えば、それは僕の片想いだったかもしれない。先生の名前も今は覚えていないし(でも先生の顔は、しっかり覚えている)。

先生は、今でもまだ先生をしているだろうか……

ううむ、この句は、僕の思春期の思い出を直撃してくるから、さらりとは読み流せないですな。「桃の花」かあ。季語がじーんと身にしみる……