2009-06-21

犬の恩返し 中嶋憲武

〔出張かしつぼ〕
犬の恩返し

中嶋憲武

〔かしつぼ〕はウラハイで継続中のシリーズです。≫バックナンバー

Chuck E.'s in Love / Rickie Lee Jones (1979)

How come he don't come and p.l.p with me
Down at the meter no more?
How come he turn off the t.v.
And he hang that sign on the door?
We call and we call
“How come?”we say
What could make a boy behave this way?

He learn all of the lines
And every time he don't stutter when he talk
And it's true! it's true!
He sure is acquired a cool and inspired sorta jazz when he walk
Where's his jacket and his old blue jeans?
if this ain't healthy it is some kinda clean?

I think that Chuck E.'s in love
Chuck E.'s in love

I don't believe what you're saying to me
This is something I gotta see
Is he here?
Look in the poolhall
Is he here?
Look in the drugstore
Is he here?
No, he don't come here no more

I'll tell you what I saw him
He was sittin' behind us down at the Pantages
And whatever it is that he's got up his sleeve
I hope it isn't contagious
What's her name?
Is that her there?
Christ, I think he's even combed his hair!
Is that her?
What's her name?
Oh, it's never gonna be the same
But that's not her!
I know what's wrong!
Chuck E.'s in love
With the little girl who's singin' this song

Chuck E.'s in love
Chuck E.'s in love
With me


浪人をしていたころ、FENを一日かけっぱなしにしていて、よくかかっていたのがこの曲。DJチャーリー・ツナの紹介のあと、この曲がかかったときの印象は「梅雨どきに向かいの家の窓から、不意に聞こえてきた感じ」というものだった。なぜ梅雨どきなのか全く不明。きっとセイシュンが梅雨どきだったのだろう。浪人だしね。ホソノさんはいい曲の3要素として、「頭クラクラ、みぞおちワクワク、下半身モヤモヤ」を挙げているが、この曲にはたしかにみぞおちワクワクする感じがある。勉強しながら聞いていたので、聞き入っていたわけではないが、呟くような歌い方や歌詞がなんとなく入ってきて、好感を持ってしまい、春日部東口にたった一軒のレコード屋「名曲堂」へ行って、店主の無口でシブい親爺の待つレジへシングル盤を置いた。邦題は「恋するチャック」。当時の価格で600円だったか、700円だったか。

歌詞は、チャックという男の子の様子が最近ヘンで、どうヘンなのかというと、話にも乗ってこないし一緒にぶらぶらすることもない。よれよれのジャケットや履き古したブルージーンズなんて格好もしてない。なんか清潔になっちゃった。ヘンだ。ビリヤードの店にもドラッグストアにもいないし。どうしたんだろう。きっと恋をしているんじゃ?そうだ恋をしているんだ。恋をしているよ。この歌を歌っているこのわたしにね。というような歌詞。

やがて、アルバムも買ってしまい、大学に入学して最初に話をした祖師谷大蔵の教会の息子に、そのアルバムを貸した。だがそのアルバムは戻って来なかった。現在ではCDで買い直したものを持っている。

映画研究部で最初に撮った8ミリ映画のワンシーンに、この曲を使った。その映画は「鶴の恩返し」ならぬ「犬の恩返し」で、踏切で轢かれそうになった犬を女子大生りかが助ける。女子大生りかには彼氏がいないので、犬が助けてもらったお礼に、彼氏にメタモルフォーゼし、女子大生りかと恋の楽しい日々が続くが、デートを重ねるうちついつい犬の習性が出てしまい、不審に思った女子大生りかが、彼氏のあとを尾行していくと…というようなストーリー。

この曲を使ったシーンは、原宿でショッピングする女子大生りか(サーファーカットのロングヘアー、オフショアのペパーミントグリーンのポロシャツ、エンジェルフライトのパンツ、ウエッジソールといういでたち)を、犬が尾行するシーン。犬の視線なのでカメラの位置が低い。移動のときは、カメラマンをマットの上に腹這いにさせ、マットの両端をスタッフが持って、地上20センチくらいの高さでぞろぞろと移動撮影を表参道で敢行。途中、雨が降ってきて、みんなでどこかのカフェへ入った。カフェで、ぼくは女子大生りかに惚れてしまい、その冬、振られることになろうとは、夢にも思わず。

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