2009-10-18

『俳壇』2009年11月号を読む さいばら天気

【俳誌を読む】
『俳壇』2009年11月号を読む ……さいばら天気



『俳壇』を取り上げるのは、創刊準備号(2007年4月22日)以来です。

特集 百花繚乱 これからの女性俳人54人 p63-

54人が5句とアンケート回答を寄せています。どういった54名かはよくわかりません。特集にはリード文も記事説明が一切なく、残念なことに作者の年齢の表記もない。「これからの」という部分で斟酌するべきなのでしょう。孫がどうこうという記述もあるので、年齢層は広いようです。「これから」に年齢は関係ないということでしょう。たしかに。

54人のうちのおひとり、佐藤文香さんがブログに「来月刊行となる『新撰21』の女性作家と女性の小論執筆者のなかで、ここに登場しているのは私のみ」と指摘するとおり、はい、みごとに重複がない。

俳句世間というのは、狭いようでいて、立ち位置によって、見える風景ががらりと変わるのだなあ、といまさらのように感慨が深いです。

それぞれの5句に附録されたアンケートで「最近読んで感動した本」という設問はおもしろいアイデアでした。ざっと見て「ほお!」と思った(いろいろな意味の「ほお!」です)ベスト3を挙げます。

  有本幸子さん(阿吽) 松本清張「熱い絹」
  坂本茉莉さん(いには) 武田百合子「富士日記」
  横田佐恵子さん(銀化) カズオ・イシグロ 夜想曲集

ついで、もうひとつのアンケートは「今年嬉しかったこと」。全般に、慎ましく、いい感じを醸そうと「小さな幸せ」風を回答するなか、佐藤文香さんは、「金子兜太氏に求められて『海藻標本』に署名したこと」。みなさんが丸腰のなか、ひとり重火器をもって仁王立ちな感じ。ここも楽しめました。


平成俳人クロニクル27 稲畑廣太郎 p101-

自選50句のひとつに…

  タイガース亀鳴いたかて負けへんで

タイガースファンでいらっしゃるんですね。昨年今年と、私もツラかったです。


青春の肖像 p19-

冒頭近くのカラーグラビア。奇数(左)ページに若き日の有名俳人の写真を配し、「私はだれ?」と問い。めくると、正解があり、現在の有名俳人の写真があるという楽しい仕掛け。今回は深見けん二さん。

このコーナー、たまに見ますが、俳人諸氏のお若いときの写真は、懐かしいモノクロームのせいもあるのか、みなさん、すてきです。いつの号だったか忘れましたが、橋本美代子さんのお若い頃の写真など、あまりのかわいらしさに、年甲斐もなく心臓が高鳴りました。


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