2009-12-27

週刊俳句2009年アンソロジー 108人108句〔1/3〕

週刊俳句2009年アンソロジー 108人108句

〔1/3〕

※アイウエオ順
※新年詠、落選展出品作は割愛させていただきました

おほゆびの爪の半月あたたけし  青木空知  第101号

浴槽の捨てられてゐる海市かな  青山茂根  第100号

秋風に涙ぐみつつ木の心地  池田澄子  第134号

寄せてくる波のごとしや下萌ゆる  井越芳子  第98号

肌色の箱庭となる灯かな  生駒大佑  第115号

少女期の傷持ちへくそかづらかな  石地まゆみ  第126号

丹田に潜む口伝や梅見頃  市堀玉宗  第99号

土用波砂をかぶれる星座盤  井上弘美  第119号

瞬間移動洗濯機から青田まで  今井 聖  第117号

四月馬鹿缶に残れるシリカゲル  上田信治  第100号

くしけずればおたまじゃくしがぽろぽろと  江口ちかる  第102号

落葉松に雪降り夢のかへる場所  大井さち子  第136号

水貝や窓にやさしき色の月  大川ゆかり  第117号

春光の重たくありぬ万華鏡  大島雄作  第101号

末黒野に捨つるほかなき宇宙船  太田うさぎ  第105号

雪解けて隅のはうにまできたよ  岡田佳奈  第96号

鳥の恋革の手帳の角潰る  小川軽舟  第103号

車窓より月のさし込む忘れ物  小川春休  第132号

試験近しみかんを剥くときに力  越智友亮  第93号

朝曇妊婦は家のまんなかに  小野裕三  第100号

外套の汲めども尽きぬあをさかな  櫂 未知子  第133号

夜長さの鍵あまたなる船箪笥  角谷昌子  第132号

惜春の指間に薄き膜生まる  加根兼光  第107号

白障子風に吹かるる顔ばかり  川口真理  第96号

ゆふづきの夜を待つ白さ春の風邪  川嶋一美  第104号

白南風や双眼鏡で追ふランナー  河野けいこ  第113号

金色の魚を干して春眠す  神戸由紀子  第99号

鳴き交はす海鴎に抛りし鮫の腸  菊田一平  第129号

書初の仮名文字女々しむつかしく  如月真菜  第96号

夏暑く冬寒き町通し鴨  岸本尚毅  第111号

噴水やまつすぐ進む縄電車  北大路 翼  第121号

バレンタイン太平の世を囓りをり  櫛部天思  第91号

あたたかや松のまはりの松ぼくり  久保山敦子  第100号

お水取見えぬところも東大寺  小池康生  第100号

ロボットにマフラーを巻く女の子  神野紗希  第100号

熊の皮畳まれ積まれ立方体  興梠 隆  第92号


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