週刊俳句2009年アンソロジー 108人108句
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※アイウエオ順
※新年詠、落選展出品作は割愛させていただきました
コスモスや縦に双子の乳母車 後閑達雄 第128号
フルーツパフェの天辺にある夏の雲 こしのゆみこ 第109号
つまみをり靴の固さの甲虫 齋藤朝比古 第114号
自転車の空気一〇円つばくらめ さいばら天気 第105号
マイムマイム落ちて来さうな旱星 堺谷真人 第112号
林檎タルト映画は悪の勝つてゐる 酒井俊祐 第128号
佐藤先生僕の消しゴム嗅いで去る 佐藤文香 第93号
ブランコ漕ぐページを捲るやうに漕ぐ 佐山哲郎 第100号
鋏虫はさめばはさむほどかなし しなだしん 第109号
屈葬は苦しからむに鰯雲 柴田佐知子 第124号
山頂の落ちさうな岩春立ちぬ 島田牙城 第94号
メトロにも青空の駅つばくらめ 下村志津子 第106号
なにも買はずに出てくれば冬の虹 鈴木茂雄 第91号
グローバリズムなるゴーレムも春の土 関 悦史 第95号
日和見と核拡散と薄荷水 瀬戸正洋 第116号
むくげむくげ電車炎上したる夢 十亀わら 第107号
初蝶にぶつかりさうに歩きけり 高浦銘子 第99号
大雪は天使の羽を束ねをり 高崎壮太 第93号
先生の回診 白セキレイ一団 高澤良一 第118号
筆圧に戸惑いのあり立秋 高遠朱音 第124号
食卓を遠景としてゆく冬野 高橋雅世 第138号
風細く吹きゐる蛇の卵かな 髙柳克弘 第122号
まんなかのはしつこあたりさねおぼろ 谷口智行 第100号
春雨や石を拾へば骨に似て 茅根知子 第100号
フルートという秋冷の棒に息 月野ぽぽな 第132号
残菊の垂直に死はすべり落つ 対馬康子 第135号
口という穴覗かれて三鬼の忌 津田このみ 第100号
置けば泣き抱けば乳欲る日永かな 鶴岡加苗 第101号
地球儀の古き世界や百千鳥 寺澤一雄 第105号
春めくと枝にあたつてから気づく 鴇田智哉 第100号
伯(はく)母(ぼ)譚(たん)と
異(い)父(ふ)問(と)い
反(へ)吐(ど)も交(か)う
火(ほ)の華(か) 外山一機 第127号
戦争のみんな巻き込む囀りか 豊里友行 第135号
人の世のにほひ集めてする花見 仲 寒蝉 第100号
マカロンのぽろぽろこぼれ春ですよ 中嶋憲武 第100号
いつせいに風車鳴れ我去らば 中田八十八 第100号
熊野はも霧らふ岨道もて隔つ 中村与謝男 第129号
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